VMware新バージョン、システムインフラ全体の仮想化狙う

2006/6/13

 ヴイエムウェアは6月12日、同社のサーバ仮想化製品の新バージョン、「VMware ESX Server 3」に各種のツールをパッケージングした「VMware Infrastructure 3」を国内発表した。

 これまで同社は、ハイパーバイザ型サーバ仮想化製品のVMware ESX Serverに、管理ツールの「VirtualCenter」、仮想サーバ移行ツール「VMotion」を組み合わせて製品として提供してきた。

米ヴイエムウェア データセンター&デスクトッププラットフォーム副社長 ラグー・ラグラム氏

 VMware Infrastructure 3では、これらに拡張を加えるとともに、分散型ファイルシステムの「VMware VMFS」、サーバ再配置管理ツールの「Distributed Resource Scheduler(DRS)」、可用性向上ツールの「VMWare High Availability(VMware HA)」、バックアップ環境改善ツールの「VMware Consolidated Backup(VCB)」の4製品を新たに加えた。ヴイエムウェアは、これらを組み合わせ、「スターター」「スタンダード」「エンタープライズ」の3種類にパッケージングして提供する。

 まずESX Serverの新バージョンでは、仮想マシン(VM)当たり最大4個のCPUをサポートした(前バージョンでは2個)。また、各VMはメモリを最大16Gバイトまで利用可能となった。また、今回は64ビットのゲストOSについて試験的な対応が開始されている。インテルのVirtualization Technology(VT)についても、64ビットCPUで試験的にVT命令をサポートし始めた。

 新たに加わった製品のうちVMFSでは、複数のVMが共通に利用できるファイルシステムを提供。これにより、異なるVMが単一のデータにアクセスできるようになった。また、バックアップについても対象データを取捨選択し、柔軟に実施できるようになった。

 DRSでは、VMを最適な物理サーバに再配置し、ハードウェアリソースの利用を均等化することができる。例えば、ある物理サーバ上のVMのうち、単一のVMに大きな負荷がかかるようになると、この物理サーバ上のほかのVMを、ほかの物理サーバへ自動的に移動することが可能。

 VMware HAでは、あるVMがダウンした場合、このサーバが実行していたアプリケーションをほかのVM上で自動的に立ち上げ、急速な障害からの復旧を実現する。

 また、VCBでは、従来各VMが実行しなければならなかったバックアッププロセスを、まとめて別のサーバに肩代わりさせられる。このため各VMは、アプリケーションの実行に専念できるようになった。

 米ヴイエムウェアのデータセンター&デスクトッププラットフォーム副社長、ラグー・ラグラム(Raghu Raghuram)氏は、VMware Infrastructure 3を第3世代のサーバ仮想化製品だと表現した。

 「第1世代は単一のサーバを論理的に分割し、第2世代では複数のVMに共通な管理環境を提供した。第3世代では全体的なリソース利用の最適化や自動的な障害復旧を通じ、システムインフラ全体を対象とした仮想化を実現する」(ラグラム氏)

 ヴイエムウェアでは、新製品をよりミッションクリティカルなアプリケーションに向けて推進していく一方、これまであまりサーバ仮想化が浸透していなかった部門レベルや中堅企業への展開も狙っている。

 この分野では直接競合することが予想されるマイクロソフトについてラグラム氏は、「マイクロソフトの仮想化製品は当社よりも2〜3年遅れている。また、当社のサーバ仮想化は特定のOSに依存しない」と話した。

(@IT 三木泉)

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