ストレージの土俵を変えたい、インフォトレンド

2006/6/23

 RAIDストレージベンダのインフォトレンドジャパンは6月22日、今年中にほとんどすべての機種を一新するとともに、国内市場における自社ブランド製品の展開を本格化していくことを発表した。

インフォトレンドテクノロジー システム開発担当副社長 ニック・リウ氏

 インフォトレンドジャパンは、台湾のRAIDストレージベンダであるインフォトレンドテクノロジーの日本法人。インフォトレンドはRAIDコントローラ製造・供給ベンダとしてスタート、その後RAIDサブシステムのOEM供給を始め、加えて自社ブランド「EonStor」の名を冠した製品の展開も開始した。2005年度の売り上げは約1億ドル。

 同社はあらゆる外部インターフェイスとディスクドライブ・インターフェイスの組み合わせ(ファイバチャネル/ファイバチャネル、ファイバチャネル/SATA、ファイバチャネル/SAS、SCSI/SCSI、SCSI/SATA)に対応し、ローエンドからミドルレンジまでをカバーした製品を開発・販売している。大手ストレージ・ベンダのミドルレンジ製品と、低価格でシンプルな量産RAIDサブシステムの中間を狙っている。

 ファイバチャネル/ファイバチャネルのディスクドライブを16個搭載した最上位モデルでも200万円台と低価格なのが第1の魅力だが、製品の品質にも非常に気を使っている。

 インフォトレンドは自社でRAID ASIC、コントローラ、ファームウェア、ソフトウェアを開発。製造も台湾国内で行っている。2006年末までに、ほとんどすべての製品ラインで新規開発のASICを搭載した新製品をリリースの予定。

 ファイバチャネル/SASの製品は、2006年8月に初めてラインナップに加わる。ファイバチャネル接続用に4Gbpsのポートを4個備えている。SASとSATAIIのディスクドライブを混在で12個搭載することができる。また、JBOD(RAIDコントローラを持たないディスクアレイ)を追加するためのポートも備えている。RAIDコントローラは1個あるいは2個の構成が可能。転送速度はシーケンシャルリードで780MB/秒という。価格はRAIDコントローラ2個、SATAドライブ12個の構成で150万円から。

 国内における同社の事業は、これまでOEM供給が中心。ビデオ制作分野での導入例が多いという。しかし今年に入って自社ブランドの展開を積極化させており、5月にはサーヴァンツインターナショナルと国内販売代理店契約を締結した。さらにNAS市場への参入を狙い、カナダのMAX-Tや韓国のデータコーラスといったNASゲートウェイ・ベンダとの協業を進めている。製品サポートについては、2006年5月よりユニアデックスが全国保守サービスを提供している。インフォトレンドジャパンでは、今年度約1200〜1300万ドルの売り上げを目指しているという。

(@IT 三木泉)

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