IBMがいま語る「インフォメーションもオンデマンド」

2006/7/6

日本IBMソフトウェア開発研究所所長 岩野和生氏

 日本IBMは7月5日、技術を中心としたカンファレンス「IBM Solution and Technology Conference」を開催、この中で同社が今後「インフォメーション・オンデマンド」(IOD)を同社のキーワードの1つとして製品や技術の展開を進めていくことを明らかにした。同社のソフトウェア開発研究所所長岩野和生氏が同日の特別講演で話した。

 岩野氏は、商品のコモディティ化進行の急速化、競争相手の増加、新たな市場機会の可能性など、ビジネスを取り巻く環境の変化がますます激しさを増していることを指摘。一方で、コンピュータによって生成されるデータの量が膨大になるとともに、自社組織以外が作成したデータをビジネスに生かす必要性が高まってくると話した。

 IBMでは異種データのビジネス活用について、すでに情報統合を実現する「WebSphere Information Integrator」、横断的な文字列検索を実現する「OmniFind」を提供し、データマイニング、テキストマイニングのための環境作りを支援している。

 今後はそれだけではなく、メタデータの活用が注目されるようになるだろうという。例えばコンプライアンスに関しては、「変化する法律の要請に応じ、XMLでデータに関するポリシーを記述し、情報がコンプライアンス的に見て正しいものであることを確保するような仕組みが求められてくる」(岩野氏)。静的なメタデータから動的なメタデータ、さらにはアノテーション(注記)のような情報利用時のメタデータ追加などが検討されるようになっていくだろうという。

 企業システム・アーキテクチャにおいてはコンポーネント化と標準化、仮想化が進行している。SOA(Service Oriented Architecture)関連の標準化も、ビジネスロジックに踏み込んだ仕様としてSCA(Service Component Architecture)やSDO(Service Data Objects)の策定が進んでいる。「しかし、データのモデリングが追いついていない」(岩野氏)。

 IBMでは、今後「インフォメーション・オンデマンド」というキーワードのもとで、多様な情報を統合し、ビジネスプロセスにおいて直接活用していくためのソリューションを提供していくという。米IBMは2006年2月に、今後3年間で10億ドルを情報管理ソフトウェア開発の強化のために費やすことを発表した。「IBMにとって、情報レポジトリ(蓄積)型の情報管理は年率10%かそれ以下の伸びしか期待できない。しかしサービスとしての情報管理は年率10%以上で伸びる有望な市場」(岩野氏)という。

 同社は、情報リポジトリを統合するレイヤの上で、コンテンツ管理やビジネス統合、さらにはマスターデータ管理を行うための各種ソフトウェアコンポーネントを製品として発売していく予定という。データの妥当性チェック、クレンジング、変換など、さまざまなコンポーネントをより小さな粒度で連携させ、ビジネスと情報を結び付けることを目指しているという。

(@IT 三木泉)

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