「オープンソースは実用に耐え得る」、IPAが自治体で実証

2006/7/28

 情報処理推進機構(IPA)は7月27日、「自治体におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての導入実証」の成果を公開した。オープンソースソフトウェア(OSS)の普及促進を図る導入実証としては、2004年度の「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」に引き続いての実施。自治体におけるOSSを活用したデスクトップ環境の普及促進に向け、既存資産からの効率的な移行方法や必要なサポート体制を明らかにし、導入手順や事例をガイドブックにまとめ、他自治体に広めていくことなどを目的としている。

IPA オープンソースソフトウェア・センターのセンター長 田代秀一氏

 今回の実証では4つの自治体約400人の職員の協力を得て、OSSの有効性を検証。「OSおよびOSSのワープロソフト、表計算ソフト、Webブラウザなどのアプリケーションが自治体において実用に耐え得ることが実証された」という。IPA オープンソースソフトウェア・センターのセンター長 田代秀一氏は「ほぼ想定どおりの結果が出せた」とコメントした。

 自治体の1つ、栃木県二宮町では、町役場全体にOSSデスクトップを導入。職員154人のうち日常的にデスクワークを行う139人のデスクトップを置き換えた。ドキュメント作成やWebアプリケーション利用などの通常業務を、実証開始から現在までOSSデスクトップで実施しており、自治体業務に耐え得るとの結論に達した。十分な事前調査を行い、OpenOffice.org日本ユーザー会と連携したサポートを行ったことなどにより移行はスムーズに進み、移行によって作業効率が向上した職員も多いという。既存環境と同等の運用を行うため、運用管理ソフトウェアは有償のものを導入したが、それを含めてもWindows環境と比べコストは下がったという。

 そのほか、北海道札幌市水道局にはOSSのビデオ会議システムを導入し、8割の職員が高い評価をしたという。

 実証を通しての問題点として、自治体で用いられている基盤システムとの相互運用性が乏しく、OSSデスクトップと既存システムとの共存が困難であること、継続的で低コストのサポート手法が求められることなどが明らかになった。IPAではこれらの問題解決を目的として、2006年度も自治体での導入実証を実施する。また個々のOSSの機能強化についても、2006年度OSS活用基盤整備事業の一環である「テーマ型事業」で取り組んでいく予定。

(@IT 長谷川玲奈)

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IPA オープンソースソフトウェア・センター

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