エンタープライズ分野で全面戦争を仕掛けるインテル

2006/8/22

米インテル 上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長 パット・ゲルシンガー氏

 インテルは8月21日、「2006年後半に向けたインテルのエンタープライズ戦略」と題して記者説明会を実施、米インテル上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー(Patrick Gelsinger)氏は、「今年はインテルにとって素晴らしい年になるだろう」と胸を張った。

  2006年のインテルは、プロセス技術の90nmから65nmへの移行、新たなアーキテクチャ(「インテルCoreマイクロアーキテクチャー」)に基づくプロセッサの全面展開、そしてItanium 2プロセッサファミリの新製品投入によるミッションクリティカル分野への取り組みの強化と、「3つがすべて実現する偉大な年」とゲルシンガー氏は表現。プロセッサについては、あらゆる製品ラインに新プロセッサを投入するだけでなく、ほとんどすべてのプロセッサを当初の予定より前倒しで投入していることを強調した。

 ゲルシンガー氏は、2006年のプロセッサロードマップを紹介。この中で、今後2006年中に提供予定のプロセッサとして、サーバ向けでは「インテルXeonプロセッサー7100番台」(開発コード名:Tulsa)、そしてClovertown(1つのパッケージにXeon 5100番台相当のデュアルコアのダイを2つ封入したプロセッサ)が含まれている。Clovertownは、2006年春のIntel Developer Forum時点では2007年第1四半期に出荷すると見られていたものだ。クライアント向けでも、1つのプロセッサ・パッケージにインテルCore 2 Duo相当のデュアルコアのダイを2つ搭載するKentsfieldが2006年中に提供予定となっている。

インテル エンタープライズ・テクノロジー・ショーケースのテープカットをする吉田和正氏(左)とパット・ゲルシンガー氏(右)

 新プロセッサの投入もさることながら、同社のプラットフォームを企業におけるIT課題解決のためのソリューションとして浸透させることが、インテルのエンタープライズ分野における重要な課題となっている。インテルは同日、東京・日比谷に「インテル エンタープライズ・テクノロジー・ショーケース」を開設した。

 これはvProを中心としたインテルのエンタープライズ・プラットフォーム向けの各種技術を紹介するショウルームで、業界関係者と企業のIT担当者を対象としている。インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「9、10月にはvPro関連でいろいろな発表を予定している。新しい技術を検証し、利用形態を紹介し、パートナーと協力してエコシステムを確立する場として活用していきたい」と話した。

(@IT 三木泉)

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インテル エンタープライズ・テクノロジー・ショーケースの発表資料

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