SI業者だからこそのモバイルセントレックス、NTTソフト

2006/8/31

NTTソフト 常務取締役 伊土誠一氏

 NTTソフトウェアは8月30日、モバイルセントレックス・ソリューション「ProgOffice」を9月1日に提供開始すると発表した。

 モバイルセントレックス分野への参入の理由について同社常務取締役 伊土誠一氏は、「(モバイルセントレックスが)音声だけで使われるのなら興味はない」と話した。音声にSFA、CRM、ERPをはじめとする業務アプリケーションを連動させ、モバイル端末からユビキタスに利用する形態が今後広がってくるとき、この連動を実現できるのは、現在のモバイルセントレックスを牽引しているIP-PBXベンダではなく、システムインテグレータだという考えが背景にあるとしている。さらに同社は通信システムと業務アプリケーションの双方に経験の深いことが、ほかのシステムインテグレータに対する優位性になるとした。

 ProgOfficeの中核となるのはSIPサーバソフトウェアと無線アクセスコントローラ。前者はNTTのネットワークサービスシステム研究所との協力で開発したもの。後者は完全に自社開発の製品という。

 同ソリューションの特徴としてNTTソフトは、SIPサーバの可用性や信頼性が高いこと、自社開発であるためカスタマイズや機能追加が柔軟にできること、無線アクセスコントローラに無線LAN上で接続性を向上する工夫が盛り込まれていること、さらに端末についてはマルチベンダに対応すること、の4点を挙げた。

 特に無線アクセスコントローラでは、特定の無線アクセスポイントが輻輳(ふくそう)が原因で着信できないことを防ぐため、輻輳(ふくそう)していない無線アクセスポイントへ迂回して端末への着信を行う仕組みを実装したほか、端末が無線LANのエリア外に出たことを短時間のうちに自動検知し、FOMAなどへの転送を行う機能を組み込んだ。また、無線アクセスポイント間で接続端末の偏りを平準化する機能なども搭載した。

 ProgOfficeの仕様は最大収容端末数500、最大同時通話数50となっている。端末については、現在のところNTTドコモの無線LAN対応FOMA端末である「N900iL」のみに対応しているが、ほかの無線LAN対応モバイル端末やソフトフォン、固定IP電話機にも、顧客ニーズに合わせて対応していきたいという。

 価格は最小構成(N900iL40台、固定IP電話10台)で約650万円から。これには初期工事費用や保守・管理費用は含まれない。保守については東電通など、全国規模の保守サービス網を持つ企業と提携して提供していくという。

 販売目標は今後3年間で約15億円。伊土氏は、NTTドコモがProgOfficeを同社のメニューの1つとして提供する可能性も示唆した。

(@IT 三木泉)

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NTTソフトの発表資料

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