シマンテック、「Backup Execブランドでテータもシステムも守る」

2006/9/15

 シマンテックは9月14日、同社が7月31日に国内出荷を開始したシステム復旧ツール「Backup Exec System Recovery」(BESR)についてプレス向けに説明を行った。

 それまで「LiveState Recovery」と呼ばれていた製品を名称変更し、データバックアップ・ソフトウェアのブランド「Backup Exec」の下で提供を開始した。

 同社プロダクト・マーケティング部リージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャの藤盛秀憲氏は、「強力なブランドであるBackup Execに名称を統一することで、メッセージをシンプルにし、データ保護もシステム保護も、バックアップならBackup Execで実現できるというイメージを広げたい」と話した。

Backup Exec Server Recovery Windows Small Business Server Edition

 BESRは、端的にいえばサーバとPCを対象とした、Windows環境をサポートするイメージバックアップツール。特定の日時におけるOSやアプリケーション、データを含むディスクドライブのイメージをシステム停止なしに取得し、システムがクラッシュした際にこれを使って復旧を行うことができる。差分バックアップを活用することで、ディスク容量を節約しながら機動的な復旧が可能。バックアップデータはディスクドライブ、CD-R/DVDなど、多様な媒体に保存しておくことができる。

 復旧における特徴としては、まずBESRの起動ディスクにWindows PE(Preinstallation Environment)が搭載されているため、システムごとのリカバリディスクの作成が不要となっている。また、HAL(Hardware Abstraction Layer)の入れ替えにより、ハードウェア構成の異なるコンピュータへの復旧を支援している。VMwareによる仮想環境への復旧もサポートしている。

 ただし、この際の復旧先のコンピュータにおけるデバイスドライバのインストールは、Windowsがプラグ・アンド・プレイ機能を用いて行うため、Windowsに標準で含まれていないデバイスドライバは適用できない。また、ハードウェア構成の違いによりOSやアプリケーション設定の変更が必要になったとしても対応はできない。これらは復旧作業後に手作業で行う必要がある。

 同製品は、遠隔地に設置されているサーバの復旧も可能。BESRのエージェントがインストールされていればリブート後に遠隔制御ソフトウェア「pcAnywhere」が自動的に起動するため、これを使って作業ができる。なお、ハードウェア構成の異なるコンピュータへの復旧やリモート復旧の機能は、従来オプションとして提供されていたが、今回から標準搭載となった。

 ディスクイメージ作成ツールを使わずにOSのインストール・設定、アプリケーションのインストール・設定を手作業で実施すると、検証も含めて数日かかる場合がある。しかしBESRを利用すれば、例えば10分強で復旧作業は終了できるという。

 BESRとデータバックアップ・ソフトウェアの「Backup Exec10d」を併用すると、「Backup Execがリアルタイムのデータバックアップを継続的に実行するため、システムクラッシュ直前の状態にまで戻すことができる」(藤盛氏)。今回2種のソフトウェアを単一のブランドにまとめることで、このように復旧作業を統合的に行えることのメリットを訴えていきたいという。

 BESRには「Server Edition」「Small Business Server Edition」「Desktop Edition」がある。価格はそれぞれ1台当たり21万円、9万9000円、1万2100円。

(@IT 三木泉)

[関連リンク]
シマンテックの米国発表資料(訳)

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