米アドビ社長が新アプリ「Apollo」デモ、「本当のWebサービスを提供」

2006/10/13

 米アドビ システムズの社長兼COO シャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏は10月12日、日本外国特派員協会で講演し、「Web 2.0の1番のポイントはどこでも、どこからでもつながること」と話し、オンラインとオフラインの両方でスムーズに利用できるアプリケーションが今後求められるとの考えを示した。

米アドビ システムズの社長兼COO シャンタヌ・ナラヤン氏

 ナラヤン氏は「Web 2.0ではネットに接続していないときでも情報にアクセスできないといけない」と話し、同社が進めているプロジェクト「Apollo」を紹介した。ApolloはWebブラウザを使わずにFlashベースのアプリケーションを動かすことができるようにするプロジェクト。PCのデスクトップ上でクライアント・アプリケーションとして稼働しながらも、インターネット上のサービスと連動して、情報を取得したり送信することができる。

 ナラヤン氏は自らのPCでApolloのアプリケーションをデモンストレーションした。披露したアプリケーションは「iTunesのような」(同氏)音楽ファイルを再生するアプリケーション。音楽プレイヤーとして稼働すると同時にネットにアクセスして「Flickr」の画像をリアルタイムに表示することができる。ナラヤン氏は「Apolloはオンラインとオフラインのいいとこ取りをして本当のWebサービスを提供する」と話した。

 また、ナラヤン氏は将来のアプリケーションは「PC以外のデバイスを考えていかないといけない」と強調した。インターネットに接続しているデバイスの数で、携帯電話などの非PCデバイスがPCを抜いたことを説明し、「今後はいつでも、どこでも、どのデバイスでも情報を取得できるようにしないといけない。モビリティがキーだ」と話した。ただ、モビリティについては「シリコンバレーは遅れている」として、日本などアジアの技術革新に注目すると説明した。

(@IT 垣内郁栄)

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