インテル、Xeon DPを皮切りにクアッドコア時代へ突入

2006/10/17

インテル マーケティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ統括部長 平野浩介氏

 インテルは10月16日、東京都内でクアッドコア化に向けた同社の取り組みについて説明した。同社は今年11月中に「クアッドコア インテルXeonプロセッサー5300番台」と「インテルCore2 ExtremeプロセッサーQX6700」を量産出荷開始するのを皮切りに、2008年にかけて幅広いプロセッサ製品ラインにおけるクアッドコア化を進める。

 インテルのクアッドコアプロセッサは、まず1つのパッケージにデュアルコアのダイを2つ封入する形で提供され、将来に向けてクアッドコアのダイを開発していく。

 説明したインテル マーケティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ統括部長 平野浩介氏は、第1世代のクアッドコアがデュアルコア×2の構成となることについて、より少ないエンジニアリング資源で迅速に市場投入が可能で、デュアルコアとウェハーが共通であることによりコストメリットが高く、安定した歩留まりで製品を提供できると説明した。

 「将来加工技術が45nmプロセスになると、(4つのコアを)単一のダイに載せることも可能になる」(平野氏)。ただし、いつどのような形でこれを実現していくかは今後の技術進展や市場環境に依存するとした。

 インテルはサーバ向けでは「Itanium 2」、「インテルXeon MP」(マルチプロセッサ)、「インテルXeon DP」(デュアルプロセッサ)、「インテルUP」(ユニプロセッサ)の4プロセッサラインを展開している。

 このうちメインストリームラインとして位置付けられているDPにおいて、2006年6月に発表された「デュアルコア インテルXeonプロセッサー5100番台」(開発コード名:Woodcrest)の後を追うようにして提供されるのが「クアッドコア インテルXeonプロセッサー5300番台」(開発コード名:Clovertown)。5300番台は、5100番台と比較して50%、AMD Opteronと比較して約150%の性能向上を実現する一方、消費電力は5100番台と同等の約80Wに抑えたという。
5300番台は5100番台と共通のBensleyプラットフォームを採用している。Bensleyプラットフォームは各プロセッサに対して17〜21GB/sのFSB帯域幅を提供。2007年以降にも対応できる十分な足腰を提供するという。

 インテルはサーバ向けプロセッサにおいて、さらにUPラインの「クアッドコア インテルXeonプロセッサー3200番台」を2007年初めに投入するほか、MPラインの新プロセッサ(開発コード名:Tigerton)を2007年中ごろに提供開始する。Itanium 2については、2007年中はデュアルコアで通し、2008年以降にクアッドコア化を目指す。

 平野氏はさらに、ユーチューブやYahoo!などのサービスの進展で、データセンターが100万台のサーバで構成される「メガ・データセンター」の時代が来るのも遠い話ではないとし、インテルがこうした時代に向けた研究開発を進めていることを強調した。

 平野氏によると、同社はすでに研究開発段階で80コアのプロセッサを実現しているほか、シリコン・フォトニクスを応用したI/Oなどの研究を進めているという。

(@IT 三木泉)

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