次は「Oracle 11g」?

Oracle Database次期バージョンがプレビューへ

2006/10/23

 米オラクルは米国サンフランシスコで開催中のイベント「Oracle OpenWorld 2006」で、「Oracle Database 10g」の次期バージョンを来場者に一部紹介する計画だ。同イベントで10月22日(米国時間)に基調講演した同社 社長のチャールズ・フィリップス(Charles Phillips)氏は「次期リリースは11g」と明らかにした。

 Oracle Database次期バージョンの詳細は同社 サーバテクノロジ・ディビジョン担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのチャック・ロズワット(Charles Rozwat)氏が10月23日の基調講演で紹介するとみられる。

oracle01.jpg 米オラクル 社長のチャールズ・フィリップス氏

 フィリップス氏は講演で、Oracle Database次期バージョンの機能について「データベース、ミドルウェア、アプリケーションの全スタックにおいてオラクルの『Oracle Fusion Architecture』に基づき、管理を一元化できる」と話した。具体的にはミドルウェアやアプリケーションを貫くセキュリティ、アイデンティティ管理、コンプライアンスの機能をOracle Databaseに持たせて、扇の要のように全スタックをコントロールする。フィリップス氏は「アプリケーションの職務やユーザー、データベースのアクセス権をポリシーに応じてセグメント分けできるようになる」と語った。

 オラクルはOracle Database、ミドルウェアを要にして、アプリケーションを全方位で展開する戦略「アンブレラ(傘)ストラテジー」を採る。今後も買収戦略でミドルウェアやアプリケーションのベンダを傘下に治める方針。ユーザー企業に対してデータベース、ミドルウェア、アプリケーションという統合的な全スタックを提供することで、「ユーザー企業が一番の課題と考えるITシステムの複雑性とコストの問題を解消できる」(フィリップス氏)としている。オラクルのソフトウェアでITシステムを統一することで、アップグレードの容易さやビジネスプロセスの管理の向上も期待できるという。

 フィリップス氏はデータベース、ミドルウェア、アプリケーションをまとめて提供するオラクルの戦略を「コンプリート」と表現。さらに同社製品が標準技術を採用し、他社やカスタムアプリケーションとも連携できることから、「オープン」とキーワードを付け加えた。

 オラクルはERPパッケージの最新版「Oracle E-Business Suite 12」もOracle OpenWorld 2006の開催中に発表する見通しだ。

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(@IT 垣内郁栄)

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