通信とビジネスロジックの融合戦略を象徴する製品

シスコが「テレビ会議でないテレビ会議システム」を発表

2006/10/25

 シスコシステムズは10月25日、米国で発表されたばかりの「Cisco TelePresence」を、12月に国内市場で販売開始すると発表した。端的にいえばテレビ会議システムだが、大型ディスプレイと高品質な音響装置を備えたシステムで会議室同士を遠隔接続し、人物を等身大に映し出すことで、あたかも同一の空間で会議しているかのような臨場感を実現している。シスコでは、新製品を「テレビ会議システムではなく、空間共有システム」と表現、一般的なテレビ会議システムとの違いを強調している。

 シスコシステムズ代表取締役社長 黒澤保樹氏はTelePresenceを日本市場と相性のいい製品だと話した。「日本のコンシューマはデジタル機器の利活用では世界一なのに、企業でのICT投資は進まない。それはメリットが経営者にピンとこないから。TelePresenceは見ただけで『これだ』と分かるソリューションだ」。

写真 Cisco TelePresence 3000

 新製品は「TelePresence 3000」と「TelePresence 1000」の2モデルから成る。3000はディスプレイ3台、マイク/スピーカー、カメラ、PC画面映写用のプロジェクターのほか、照明装置やテーブルも組み合わせて、合計12人以上の会議にも対応できるようになっている。設置や調整には特別なノウハウが求められるため、同製品に関する認定を受けた販売パートナーを通じて提供される。現在のところ1対1接続しかできないが、2007年には多対地接続が可能なバージョンを提供するという。

 エンドユーザーにとっての使い勝手のよさも新製品のセールスポイントの1つ。エンドユーザーは、TelePresenceのセッションをOutlookのグループスケジューラ機能との連動で簡単に設定できる。また、事前になされた接続設定は同社のIP電話機上にボタンとして表示され、これを押すだけで会議セッションを開始できる。

 シスコはTelePresenceを単体で販売するというよりも、同社の統合コミュニケーション・ソリューションの一部として提供していく。シスコの統合コミュニケーション・ソリューションでは、一般業務アプリケーションや同社のコラボレーション・アプリケーションが共通にアクセスできる中間レイヤにビジネスロジックを組み込み、立体的なコラボレーションが実現できるようにすることを目指している。

写真 シスコのユニファイド・コミュニケーション戦略を説明した同社執行役員 篠浦文彦氏

 これにより、例えば病院において患者の心電図データに異常が見られると、位置情報を活用して最短距離にいる看護師の携帯電話を自動的に呼び出し、どの患者に異常が生じているかを知らせるとともに、心電図データをその画面に映し出すといったソリューションが実現する。

 こうしたソリューションを構築するための重要な要素として、通信機能を組み込んだアプリケーションをダイアグラム形式で簡便に開発するための「Cisco Unified Application Designer」を2007年初めに提供開始するという。

 また、同社執行役員の篠浦文彦氏は、日本ではこの分野における携帯電話端末との連携ニーズが大きいため、携帯電話端末メーカーや携帯電話事業者との協力を積極的に進めていると話した。

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(@IT 三木泉)

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