「Adobe Max 2006」開催

アドビ、マクロメディア統合のメリットはワークフローの改善

2006/10/25

 アドビ システムズとマクロメディアの統合後初のユーザーカンファレンス「Adobe Max 2006」が米ラスベガスで開幕した。Maxは、マクロメディアが毎年行ってきた1年にいちどの製品戦略のお披露目とユーザー向けセミナーの一大イベント。今回は、約3000名を集めた過去最大規模での開催だという。

写真 THE BULE MAN GROUP

 ラスベガスにふさわしく、1日目の基調講演は「THE BULE MAN GROUP」が登場する派手な演出で始まった。ここで強調されたのは、アドビ製品と旧マクロメディア製品の統合によるメリットだ。その1つが「Dynamic Media Workflow」。今後リッチメディア普及のトレンドは明らかであり、デザインカンプからFlashムービーやサウンドを駆使したリッチコンテンツを作り上げるまでのワークフローを容易にする必要がある。

 たいていの場合、デザイナーは、PhotoShopを使ってデザインカンプを作るが、PhotoshopとFlashの連携を実現することで、Photoshopで作成したPSDファイルをレイヤストラクチャを維持したままFlashで読み込み、カンプからFlashムービーの作成をシームレスかつスピーディに行えるという。効果的な演出をFlashムービーに加えるためにAfter Effectとも連携する。さらには、Flashにサウンドを取り込む編集ツール(デモではSoudboothと名づけられていた)もまもなく登場し、サウンドも含めたリッチなFlashムービーの作成を容易にするという。これらはAdobe Creative Suite 3以降で実現されていく予定だ。

 ツールの統合によるワークフロー改善はリッチインターネットアプリケーションの構築にも当てはまるという。例えば、FlexアプリケーションのユーザーインターフェイスをIllustratorで作成してそのままムービークリップとして書き出し、これをFelxBuilder上でCSSに定義して、あとはデザインモードで適当な位置にパーツを配置。コードを書いてアプリケーションの挙動を決める。会場ではこの方法でMP3プレーヤーをわずか10分で作成するデモを披露した。

 また、「Electronic Document Workflow」と表現されるワークフローは、FlashファイルとPDFファイルの境界線をなくすという。例えばPDFとFlexアプリケーションが連携可能になることで、Flexで作成したインタラクティブな自動車損害保険申請アプリで作成した申請情報とPDFで作成された申請書のデータがリアルタイムに連動。申請書の作成・修正が容易になる。

写真 Google MapsをAppoloで実現したデモを披露

 最後にデスクトップにおける統合として、Appoloが披露された。Appoloは、デスクトップ上のリッチインターネットアプリケーションを実現。WindowsとMac OSのクロスOS、クロスコードで動作する。Webサービスとローカルリソースへのアクセスの両方を実現したデスクトップアプリケーションを構築できるのが特長。オフライン、ドラッグ&ドロップ、クリップボードの利用など、ふだんデスクトップアプリケーションで使い慣れたインタラクションを実現できる。そのアプリケーションスタックは、Appoloフレームワークの上でHTML、Flash、PDF、JavaScriptを扱うことが可能なため、現在Webブラウザ上で行えるすべてのことがAppoloで実現できる。デモではeBay、Google Mapsの利用をAppoloで可能にした例などが披露された。Appoloを開発するためのツールはFlexBuilder、Dreamweaver、Flash、LiveCylce Designer、Photoshop、InDesign、コマンプロンプトなど。開発されたAppoloアプリケーションはDevelopment Packageというパッケージ単位でAppoloプラットフォーム上にデプロイされることでクライアント上で実行可能になるという。

 Appoloの普及には、使いやすく利便性の高いキラーアプリケーションの登場が不可欠だ。そこでアドビは今後Appoloを使った開発を行う企業に投資するために1億ドルの資金を用意したという。

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(ナレッジオンデマンド 宮下知起)

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