Web 2.0技術で操作性を改善

Oracle E-Business Suite 12、Fusion Applicationsを初公開

2006/10/26

 米オラクルは10月25日、ERPパッケージの最新版「Oracle E-Business Suite 12」(EBS 12)のプレビューを米国サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld 2006」で公開した。企業のグローバル化に対応し、本社だけでなく海外拠点を含めて統合的にアプリケーションを管理できる機能を強化した。オラクルのアプリケーション開発担当シニア・バイスプレジデント ジョン・ウーキー(John Wookey)氏は「ローカルに最適化されたアプリケーションを使いながら、グローバルに意思決定できる」と話した。

oracle01.jpg 米オラクルのアプリケーション開発担当シニア・バイスプレジデント ジョン・ウーキー氏

 グローバル化対応の強化では複数の事業部門を横断するプロセス管理機能を新たに搭載。本社、海外拠点のそれぞれの会計基準に従って複数の仕分けを行いながら単一の会計処理をできるようにする。管理機能でもグローバル対応を意識し、海外拠点を含めてEBSの管理を「Oracle Enterprise Manager 10g」で管理できる。複数拠点の法令順守を単一のポリシーで管理する機能もある。

 EBS 12で注目されるのはインターフェイスや操作性の向上。操作性への取り組みに熱心だった旧ピープルソフトの技術を取り込み、ユーザーインターフェイスを改善した。講演ではイタリアの二輪車メーカーで、EBSを導入したDucati ConsultingのCEO ジョバンニ・コンティーノ(Giovanni Contino)氏が登壇し、ERPの利用で「カイゼンの方程式を分析しないといけない。企業の規模にかかわらず、インテリジェンスが必要だ」と話した。

oracle02.jpg 自社のバイクとともに登場したDucati ConsultingのCEO ジョバンニ・コンティーノ氏

 オラクルはEBSとPeopleSoft、JD Edwards、Siebelなど買収した多数の製品との連携も高める。ウーキー氏は連携のキーワードとして「サーチ」「XMLベースのレポーティング」「分析機能の組み込み」を挙げた。サーチについては「Oracle Enterprise Secure Search」を使って複数の業務アプリケーションから必要な情報をユーザーが探し出すことを説明し、「サーチはナビゲーションの新しい方式」と話した。XMLベースのレポーティングについては、「毎年変わる政府の規制のフォーマットに対応するにはXMLベースで柔軟性を備えたレポートが必要」と訴えた。

 また、分析機能の組み込みでは、各業務アプリケーションでダッシュボードに分析機能を載せることを説明。エンドユーザーがダッシュボードから分析機能を利用できることから「分析結果を日常の業務改善に生かせる。アナリティクスをトランザクションに組み込む」とした。

 ウーキー氏はオラクルが2008年に出荷予定の次世代アプリケーション「Oracle Fusion Applications」のデモンストレーションを初めて公開した。Fusion Applications開発の方向性の1つはEBSと同様にユーザーの操作性、インターフェイスの改善だ。特に「Web 2.0技術が重要」とウーキー氏は話し、クライアントPCのデスクトップに表示し、Fusion Applicationsの情報を適宜提供するウィジェット「Oracle Applet」や、Microsoft Outlook、Wordなどに組み込んでユーザーがFusion Applicationsに直接アクセスできるようにする「Oracle Sidepane」を紹介した。

oracle03.jpg 初公開した「Oracle Fusion Applications」のウィジェット「Oracle Applet」

 両機能は「ユーザーはよく利用するツールを使いながらOracle Applicationsのパワーを得たいと考えている」(オラクル担当者)ことが開発の背景。デモではOracle AppletをトリガーにユーザーがFusion Applicationsから情報を得て、Google Docs & Spreadsheetsで展開する利用法などが示された。「業務アプリケーションにいちいちアクセスせずに必要な情報を得て、意思決定できることが重要だ」(同担当者)。

 オラクルはWeb 2.0技術を使って業務アプリケーションの情報を統合するユーザーインターフェイス開発のフレームワーク「Oracle WebCenter Suite」を10月23日に発表した。WebCenter SuiteはFusion Applicationsのユーザー環境になるとしていて、Oracle Applet、Oracle SidepaneもWebCenter Suiteに関連付けられると見られる。

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(@IT 垣内郁栄)

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