「企業ITを一変させる可能性もある」

NECがシンクライアントの欠点を克服した新製品を発表

2006/11/06

nec01.jpg NEC執行役員専務 小林一彦氏

 NECは11月6日、VMwareを仮想PCプラットフォームとして採用したシンクライアント・システムの新製品を発表した。同社執行役員専務 小林一彦氏は新製品について「企業ITの世界を一変させる可能性もある」とし、3年後における同社のシンクライアント事業売り上げ4000億円も夢ではないと話した。

 NECは今回、シンクライアント端末として弁当箱大のボックス型デスクトップ・シンクライアント端末「US100」とノート型端末「US50」を発表。また仮想PCサーバ機能をプリインストールしたサーバ・ハードウェアの「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」および管理サーバ機能を搭載したサーバ・ハードウェア「Express5800/VPCC管理サーバ」を併せて発売することを発表した。

 新製品群の目玉は、「US100」に搭載した新規開発のシステムLSIによる処理の高速化。仮想PC型のシンクライアント・システムでは通常、マルチメディアを含めて仮想PC用の処理をサーバ側で行う。この際に一般的なPCには搭載されているアクセラレータなどが利用できず、完全にソフトウェアでの処理となるため、仮想PCの負荷が高まると得動画などの品質が下がることが問題となっていた。

nec02.jpg ディスプレイ裏に装着できるUS100

 NECが米ServerEnginesと約3年をかけて共同開発したという新LSIでは、このマルチメディア処理をシンクライアント端末側でハードウェア支援することにより、仮想PCの負荷に左右されない安定的な品質を実現したという。

 同LSIではさらに、VoIP通信機能をシンクライアント側で提供するようにした。これにより、ソフトフォンを利用する際に、サーバ上の仮想PCでVoIPを動作させる場合と比較して、大幅に安定した音声品質での会話が可能になったという。NECは近い将来、音声通信だけでなくビデオ会議も端末側で処理するようにしたいと説明している。

 新LSIは「US100」のみに搭載される。ノート型端末の「US50」への搭載は「次回考える」(小林氏)という。またシンクライアント側でのVoIP処理は当面、同社のIP-PBX製品「SV7000」との組み合わせのみがサポートされる。

 また、「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」は、最大20台の仮想PCを構成するのに必要なOSやミドルウェアをプリインストール。これにより導入企業側でのインストール作業にかかる時間を大幅に短縮するとともに、システム価格とシステムインテグレーション費用を合わせた初期導入費用を、従来の同社ソリューションに比べて約40%削減することができたという。

 新製品はNECの運用管理ソフト「SigmaSystemCenter」と連携。ユーザーは必ずSigmaSystemCenter経由でシンクライアントから仮想PCにアクセスする仕組みにより、ユーザー単位での端末限定など、セキュリティを強化することができるという。また、仮想PCでは通常、利用するかどうかにかかわらず各ユーザー当たり1インスタンス稼働させることが必要だが、同システムでは「共用モード」を用意。1つの仮想PCインスタンスを、複数のユーザーが交代して利用できるようになっているという。

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(@IT 三木泉)

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