COBITなどを日本語で誰もが勉強できる環境を提供

「日本をITガバナンスのトップランナーに」、協会が設立

2006/11/17

 日本ITガバナンス協会(ITGI Japan)の設立が11月17日に発表された。同協会は、COBIT(Control Objectives for Information and related Technology)を米情報システムコントロール協会(ISACA)と連携して編集・発行するなどしてきた米ITガバナンス協会に対応する組織として、日本の情報システムコントロール協会関係者の協力によりつくられた。現在のところ法的な実体はないが、2007年4月には非営利団体としての法人格を取得するという。

itgi01.jpg ITGI Japan代表となった松尾明青山学院大学教授

 ITGI Japanの初代代表に就任した青山学院大学教授の松尾明氏は「日本はITガバナンスで世界をリードできる立場にいるかといえば、答えはノー。日本をITガバナンスのトップランナーにすることが協会の最終的な目標」と話した。

 松尾氏は、日本では多くの人がITガバナンスに関する知識を深められる環境がないことが基本的な問題だと指摘する。「米国では、COBITなどを誰もがダウンロードして無償で読むことができる。しかし日本では、勉強しようと思っても日本語の資料が手に入らず、手に入ったとしても有償になってしまう」(松尾氏)。

 そこでITGI Japanがまず行う活動は、COBIT for SOX Version 2、COBIT 4.0、VAL IT、Board Briefing on IT Governance 2nd Edition、Internet Security Governance 2nd Editionの翻訳と無償公開。すでに翻訳を行っていた企業からの寄付により、これらの一部は今年中に公開できるという。

 同協会ではまた、「J-SOXへのCOBIT 活用のための委員会」を年内に発足し、日本版SOX法の実施基準案とCOBIT for SOXの調整を行っていくという。「COBITといっても大まかな基準であり、これをそのまま持ち込んだだけでは実際のITガバナンスが進まないままになる可能性もある」(松尾氏)。作業の1つとしては、COBITの具体的な内容を明らかにすることが考えられるという。また、オフィスワークにジャストインタイムの概念を持ち込もうとしているトヨタの取り組みなど、日本企業におけるベストプラクティスを、日本版SOX法対応で生かせないかを考えていきたいという。ただし活動内容や日程は具体的には定まっていない。

 ITGI Japanは、ユーザー視点の組織として活動する。収入は同協会が主催するカンファレンスのために集めるスポンサー料や、ITガバナンス関連企業からの協賛金で賄うという。

(@IT 三木泉)

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