ミロク情報と資本提携も

開発プラットフォーム「SuiteFlex」でカスタマイズ促進、ネットスイート

2006/11/17

 ネットスイートは11月17日、NetSuite上で動作するアプリケーションの開発プラットフォーム「SuiteFlex」を発表した。NetSuiteのCRMおよびCRM+製品の日本語版で利用可能。米国ではすでに、業種に特化したカスタマイズアプリケーション(小売り、清掃業、人材派遣業など)がパートナー企業からリリースされているという。

flex01.jpg 握手を交わす3者(左から、ネットスイート代表取締役 東貴彦氏、ミロク情報サービス 社長 是枝周樹氏、米ネットスイート シニアバイスプレジデント ディーン・マンスフィールド氏)

 カスタマイズ・ツールセットの「SuiteBuilder」、NetSuiteをSOAP APIで外部システムと接続する「SuiteTalk」、JavaScriptをベースとしたプログラミング言語「SuiteScript」の3つのコンポーネントで構成されている。

 ネットスイートの製品にはERPとCRM、電子商取引に関するプロセスが組み込まれたスイート製品があるが、このスイート製品が可能にする電子商取引の基本プロセス(成約見込み、受注、決済、配送、調達、支払いなど)を基盤にしながら、業種独特の(企業独自のでもいい)ビジネス・プロセスを追加することが可能となる。カスタマイズした独自アプリケーションは、コアとなるNetSuiteアプリケーションとして、バージョンアップ後にも動作する。

 ネットスイートに代表されるSaaSベンダは、拡張性を前提としたプラットフォームを基盤にビジネス規模のスムーズな拡大を狙っている。セールスフォース・ドットコムでも、AppExchangeという開発基盤を提供しながら、カスタマイズ・アプリケーションの数を増やす戦略を採用している。

 コーディングレスによるカスタマイズのしやすさを売りにした拡張戦略を展開する一方で、ネットスイートは同日、財務・会計ソフトウェア・プロバイダ ミロク情報サービスと開発、販売の両面で提携すると発表した。開発面では、米ネットスイートと、販売面ではネットスイート(日本法人)とそれぞれ協業を展開する。また、ミロク情報サービスはネットスイートへの資本参加(総株式の5%を取得)も行う。

 日本独自の会計標準をネットスイート製品に組み込むことが提携の最大の目的とみられる。

(@IT 谷古宇浩司)

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