松下のTOUGHBOOK独走に待った!

NECが90センチの落下でも壊れないノートPC発表

2006/12/05

nec01.jpg 高い堅牢性を持つShieldPro

 NECは12月5日、90センチの高さからコンクリートに落としても壊れないノートPC「ShieldPro FC-N21S」の販売を開始した。出荷は2007年1月末から。価格はオープンプライスだが、標準的な構成で実売価格は20万円台後半から30万円台前半。電気・ガス・水道などのフィールドメンテナンス分野や、建設、工事、工場内利用向けとして今後2年で2万台の販売を見込む。

 FC-N21Sは、2004年10月に発売した防塵、防滴、耐衝撃などを特徴とする「FC-N11F」の後継機種。従来機の3.2キロから2.5キロへ軽量化し、バッテリ持続時間を5時間から8時間に改善。指紋認証デバイスや回転式の12.1インチ液晶パネルの搭載など、新機能も追加されている。ただし、液晶を回転してタブレット型として利用はできるが、搭載OSはタブレット向けOSではなく、Windows XP Professional、もしくはLinux。

 また、ハードディスクドライブの代わりにストレージとして8Gbyteのシリコンディスクをオプションとして選択することもでき、その場合はOSとしてWindows XP Embeddedも選べる。

nec02.jpg 高い防塵・防滴性能を持ち、液晶パネルやキーボードに水をかけても問題ない

 最大の特徴は堅牢性。電源がオフであれば、高さ90センチの高さから、どういうアングルで落としても壊れない。搭載するハードディスクは一般のノートPC向けパーツと変わりないが、マグネシウムダイカスト合金を使った筐体フレームによりショックを吸収する。稼働中の落下は保証対象外。ただし、動作中の落下テストは行っていないとしながらも、開発担当者は「実力では90センチまで大丈夫だと思う」とし、高い堅牢性を訴える。また、一般的な机の高さが70センチ前後であることや、日本人がパソコンを手にしたときの高さを考えると90センチは高めの基準だという。

 防塵、防滴性能はIEC標準規格で規定されたIP54に準拠。上下左右から砂塵や水の進入を防ぐ。また、マイナス20度の極低温から50度の高温環境下での動作を保証するなど過酷な環境下での利用ができる。高温環境下でもファンレスを実現するため、CPUにはCore Duoではなく、超低電圧版のCore Solo U1400を搭載した。

 堅牢ノートPC市場では松下電器産業の「TOUGHBOOK」が高い市場シェアを持つ。差別化の要因としてNECは、温度や湿度の条件だけでなく、耐衝撃や耐振動といった面でも動作環境をスペックに明記していること、指紋認証デバイスの搭載、オプションのバックライト付きキーボードの存在などを挙げる。とはいえ、現状で堅牢ノート市場自体が2〜3万台の供給と小さいため「シェア30〜40%を目指すが、まずは市場全体を盛り上げて行きたい」(江上一成 制御システム事業部長)と今後の見通しを語った。

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(@IT 西村賢)

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