日本オラクルがSOX法対策ソリューションを説明

ITの助けなしに内部統制対応できますか!?

2006/12/05

oracle01.jpg 日本オラクルのITコーディネーター/公認システム監査人 桜本利幸氏

 「ワールドワイドでの全社員数は?」。1998年、オラクルの共同設立者でCEOのラリー・エリソンは記者会見で飛び出した質問に答えられなかった。成長著しいオラクルは、当時すでに140カ国に拠点を置くグローバル企業。各国ごとに異なるルールとプロセスを用いていたため、経営情報が分断されていた。3週間かけて各拠点の社員数を積み上げ、やっと出した数字は、また間違い……。日本オラクルのITコーディネーター/公認システム監査人 桜本利幸氏は記者会見で、自社の内部統制構築の経験を振り返り、同社の内部統制関連ソリューションのポイントを説明した。

 桜本氏によれば、オラクルの内部統制への取り組みは2000年にさかのぼる。トップダウンでデータの正確性、可視性、適時性を改善。また、全世界の業務プロセスを統合し、シェアード・サービスも実現した。その結果、例えば決算の連結作業が、それまで13日かかっていたところ、わずか4日に短縮されたという。以前は手計算していたためミスも多かったが、プロセスを自動化したため「IT企業につきものの、決算の修正が最近はない」(桜本氏)。こうした業務改革のおかげで、2000年ごろの同社の売り上げ規模が1兆5000円規模だったところ、1000億円を超えるコストダウンを実現したという。オラクルは1月には企業のコンプライアンス対応やガバナンスを強化する「オラクル・コンプライアンス・アーキテクチャ」を発表しているが、そこには、こうした自社の体験や、米国の先例によって蓄積された知恵や技術が生かされているという。

 11月21日に金融庁が公開した日本版SOX法(金融商品取引法の一部)の「実施基準案」では「組織に新たなITシステムの導入を要求したり、既存のITシステムの更新を強いるものではない」とする一方で、ITの有効性を指摘し、利用を推奨している。桜本氏も、求められる基準をクリアするにはITが手助けになると指摘する。例えば、内部統制で評価対象となる棚卸資産について見ると、販売プロセス、在庫管理プロセス、期末の棚卸プロセス、購入プロセスが関連しており、そうした業務プロセスを管理するには、プロセスの上流部分から管理できるERPが不可欠になるという。あるいは、事業拠点が多数ある場合には各事業拠点から売り上げの高い拠点から順に一定の割合の拠点が評価対象となるが、そうした事業拠点の選定作業も、セグメント会計ができていることが前提で、全社あるいはグループ全体で共通の業務ITインフラを持つメリットは大きい。

 監査においては業務記述やフロー図、業務手順といったものが文書化されていることが重要だが、そうした文書の管理・参照についても単にファイルを保存する以上の仕組みが必要だという。内部統制に関わる文書は、業務プロセス、対象組織、統制、監査手順、リスク、影響する勘定科目といった項目について、それぞれ互いに関連しあっている。監査時には、こうした項目について、あらゆる方向から可視化できることが重要だ。オラクルが12月1日にべリングポイントと共同で発表した「Oracle Internal Controls Manager」は、そうしたニーズに応えるオラクル・コンプライアンス・アーキテクチャの重要な1要素だという。

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(@IT 西村賢)

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