Documentumを核とした情報管理に今後の焦点

EMCが買収攻勢で得たものとは

2006/12/13

emc01.jpg EMCジャパン 執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長 古谷幹則氏

 過去3年間に70億ドル以上を費やして買収を繰り返してきた米EMC。その買収戦略と今後の展開を12月13日、EMCジャパンが説明した。

 一連の買収の基本的な動機が、「ハードウェア中心のストレージ製品ベンダからソフトウェアやサービスも含めた情報インフラベンダへの脱皮」であることを、同社は繰り返し明らかにしてきた。実際に買収の対象となった企業もすべてソフトウェアあるいはサービスの企業。結果として同社の売り上げにおけるソフトウェアの比率は46%に達し、明らかにハードウェアベンダと呼べる存在ではなくなった。

 EMCジャパン 執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長 古谷幹則氏は、後知恵の部分もあると前置きしたうえで、「インテリジェントな情報管理」(ソフトウェア)、「柔軟性のある階層型のインフラストラクチャ」(ハードウェア)、そして「@情報中心のセキュリティ」、さらに「IT連携」の4つを柱とした情報インフラストラクチャ関連製品/サービスの姿が見えてきたと述べた。

emc02.jpg 過去4年間のEMCによる買収(クリックで拡大)

 なかでもドキュメンタムの買収は同社にとって重要な意味を持つとEMCジャパン 執行役員 EMCソフトウェアグループ本部長 安藤秀樹氏は話す。EMCは情報管理について「ILM」(情報ライフサイクル管理)というコンセプトを積極的に打ち出してきたが、「Documentum」はこのILMに必要なインテリジェンスの部分を担当する中核的な存在になっていくという。

 DocumentumはオフィスドキュメントやWebページ、電子メール、画像・音声・動画ファイルなど、多種多様なデータに関する属性情報(メタデータ)を管理することができるコンテンツ管理プラットフォームだ。「メタデータを押さえれば、各種のデータをビジネスルールに従って分類することができる」(安藤氏)。アプリケーションやファイル形式をまたがった統合的なコンテンツ管理を行うことで、企業は全社的に最適化されたILMを実現できるようになるという。

 同社の情報管理関連製品は、Documentumをメタデータ・リポジトリ(格納場所)とするべく順次改変が進められている。例えば電子メールアーカイブ製品「Legato Networker EmailXtender」や紙情報の電子化ツールである「Captiva」製品ファミリは、すべてDocumentumを利用するようになる。ただし、これらのソフトウェアがDocumentumのオプション製品になってしまうわけではない。逆にこれらの製品にDocumentumのメタデータ管理機能を組み込んで提供していく。こうした取り組みを通じて「ユーザー企業が単一のメタデータ・レポジトリのよさに気付けば、さまざまな情報に適用してもらえるようになる」(安藤氏)。

 買収製品の日本語版提供予定は、Captivaが2006年末から2007年初めにかけて投入予定のほか、データ暗号化/アクセス権管理製品「Authentica」のDocumentum対応版が2007年中に提供されるなど。米Avamar Technologiesの買収で獲得したストレージデータ量を削減するバックアップソフト群は、今後6カ月以内に国内市場へ投入するという。

 米国ではSIベンダ2社(Interlink、Internosis)も買収している。古谷氏によると、Microsoft Exchange Serverの構築ノウハウなどをEMCの情報管理関連ビジネスに生かすことと、マイクロソフトとの提携関係をさらに強固にしていくことの2つの目的があるという。古谷氏は「日本では買収はないだろうが、提携などを通じて同じようなことをしていく必要がある」と話している。

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(@IT 三木泉)

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