ますます重要視される組込み技術者育成

OMG認定試験に組み込み技術者向けプログラムが開始

2006/12/14

 UML教育研究所とオブジェクト・マネジメントグループ(OMG)は12月13日、「OMG認定組み込み技術者資格試験」(OCRES)プログラムの提供を発表した。OMG 会長兼CEO リチャード・ソーリー氏は「これまで提供してきたモデリングの試験をリアルタイム組み込み技術者に対応させた資格試験ができた。将来はこういった試験をビジネスアナリストの世界にも広めたい」と話した。

omg01.jpg OMG 会長兼CEOのリチャード・ソーリー氏

 OCRESは、組み込みソフトウェア開発に携わるシステム設計者、開発者、プログラマを対象とした組み込みソフトウェア開発におけるスキルを評価・認定する試験。もともと組み込み技術の重要度が高い日本からの要求で企画されたという。

 従来よりOMGとUML教育研究所が実施しているOMG認定UML技術者資格試験プログラム(OCUP)と共通のファンダメンタルレベルに加えて、より高度な知識を問われるインターメディエイトレベルとアドバンストレベルも提供する。

 OMGが資格の認定と問題の開発を担当し、UML教育研究所が試験のローカライズとアジア太平洋地域での普及促進活動を行う。試験は世界130国で提供され、日本では約200の会場で試験が受けられるという。初年度日本では1000人。全世界で2100人の受験者数を目標にする。

 組み込み技術者向けの資格試験は、情報処理推進機構(IPA)が運営する情報処理技術者試験に「テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)」があるほか、組み込みシステム技術協会(JASA)が提供するETEC(Embedded Technology Engineer Certification;組み込み技術者試験制度)が11月より提供されている。UTI 代表取締役社長 碇利之氏は「それらの試験はOSやハードウェアに近い、コーディングレベルの資格試験。OCRESは上流工程のデザイナーやアーキテクトなどに必要な設計段階におけるスキルの資格試験と考えている」とその違いを強調した。

 英語版試験はアジア太平洋地域を除いた地域では12月13日、アジア太平洋地域は来年の1月9日から、日本語版試験は3月15日から提供が開始される。受験料は試験の種類、レベル問わずに一律3万円(税抜き)。初年度4000万円、3年間で3億円の売り上げを見込んでいる。

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(@IT 千葉大輔)

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