Windows Mobile搭載携帯電話端末の発売から1周年

「今後3年、ウィンドウズケータイを年率300%増で売る」

2006/12/19

 携帯電話向けWindows Mobile搭載端末、「ウィンドウズケータイ」の発売1周年を記念して、マイクロソフトは12月19〜20日の2日間、東京の「丸の内オアゾ」で記念イベントを開催する。イベントでは各キャリアから発売中のウィンドウズ ケータイの体験コーナーを設けるほか、入門セミナーやトークライブなどが予定されている。

2006年は3倍増で、今後3年間は年3倍の成長を目指す

winmobile01.jpg マイクロソフト 執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏

 イベントに先立って12月19日に行われた記者会見で挨拶したマイクロソフト 執行役常務の佐分利ユージン氏は「10年前にスタートしたモバイル関連事業部はマイクロソフトに7つある事業部の中でいちばん小さい事業部。長らく赤字だった事業だが、過去6四半期は連続で黒字を達成した」と過去1年強の好調さをアピール。2005年から2006年にかけて出荷台数は3倍に伸び、今後3年間は毎年出荷台数を3倍ずつ伸ばすという社内目標を掲げているという。「携帯電話端末のワールドワイドでの年間出荷台数は10億台だが、出荷の伸び率は下がっている。いっぽうスマートフォン端末は2億5000万台と小さいが30〜35%の成長率。海外ではノキアの法人向けソリューションやRIMのスマートフォンがあるが、日本市場のビジネス向け端末は、これから。海外に3年遅れて上陸した」(佐分利氏)と話した。

 また、2005年にウィルコムのW-ZERO3で始まったウィンドウズケータイの出荷は、2006年にはNTTドコモとソフトバンクモバイルの参入で3キャリア5機種に増えたが、「来年は10機種を目指す」(佐分利氏)という。現在はスライド式QWERTYキーボードを搭載する端末だけだが、常時キーボードが見えているものなどフォームファクタにバリエーションを持たせる。

開かれたモバイルのインターネット環境を提供

winmobile02.jpg ソフトバンクモバイル マーケティング本部 MD統括部 プロダクトマーケティング部 部長 田中義昭氏

 佐分利氏は、ウィンドウズケータイは多様なパートナーの存在なしでは真価を発揮しない「プラットフォーム」だと言う。パソコン同様に、プラットフォームとして機能するようになれば、ハードウェア/ソフトウェア/サービスを提供する選択肢が増え、これまでのキャリア中心の垂直統合と違う世界が開ける可能性がある。

 ITアナリストでテックバイザージェイピー代表取締役の栗原潔氏は、「米国では月額1000円程度で利用できるExchangeサーバのサービスプロバイダがある。これを利用して、自宅とオフィスのパソコン、それに携帯電話がすべて常にシンクロできている」と自身の利用形態を紹介し、「日本でも携帯電話向けのサービスが充実してほしい」と話した。携帯電話端末とコンテンツが分離されている米国では、ニュースサイトなどが携帯電話向けにQVGAで表示できることが多く、見やすいという。

 Windows Mobileを採用した「X01HT」を製品ラインナップに加えたソフトバンクモバイル マーケティング本部 MD統括部 プロダクトマーケティング部部長の田中義昭氏は、採用の理由について、「もともとわれわれが参入した意図は、開かれたモバイルのインターネットを作りたかったからで、Windows Mobileは日本の閉じたケータイの世界を突き破った」と説明した。「パソコンでは個々のユーザーのニーズに合わせてソフトを入れている。同様にモバイル端末でもオープンなインターネット環境ができていけば用途が広がり、ビジネスユーザーだけではなく、個人にも広がっていくのではないか」と語った。

 また、真っ先にWindows Mobileを採用し、W-ZERO3というヒット商品を生み出したウィルコム 営業開発部長の太田靖士氏は、「発売当初の昨年は供給が間に合わない状態が続いた。当初は周辺機器やソフトがなかったが、昨日はワンセグチューナーのオプションを発売開始し好評」とコメントした。

winmobile03.jpg イベント中は体験スペースで各社の端末を試用できる

(@IT 西村賢)

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