「次世代の別のサービスインフラに」

KDDI小野寺社長、「WiMAXが携帯電話に置き換わることはない」

2006/12/20

 「WiMAXが携帯電話に置き換わることはまったくないと思っている」。KDDIの代表取締役社長兼会長 小野寺正氏は12月20日、KDDIが周波数の割り当てを総務省に求めているWiMAX技術について説明した。WiMAXは「携帯電話のように全国一斉のサービスにはなり得ない」として既存の携帯電話ビジネスとの違いを強調。「WiMAXはラップトップPC向けサービスなど新しい市場を開く技術」とした。

kddi01.jpg KDDIの代表取締役社長兼会長 小野寺正氏

 総務省は2007年に2〜3社程度を対象として2.5GHz帯周波数の割り当てを行う予定。KDDIはモバイルWiMAXについて名乗りを上げていて、小野寺氏は「KDDIとしてもぜひやりたい」と意気込みを見せた。ほかに周波数の割り当てを求めているのはNTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、ソフトバンク、ウィルコムなど。多くの企業が割り当てられた周波数をモバイルWiMAXに利用するとしている。

 小野寺氏は「WiFiが広く使われていないのは共用バンドであるため。誰でもネットワークを作れるというメリットはあるが、通信事業者のタッチが少なかった。そのため使い勝手のよいサービスになっていない」と指摘。WiMAXでは特定の事業者のみに周波数が割り当てられるため、「われわれのところで干渉などの問題をあらかじめ解決し、品質を確保したうえでサービスを提供できる」と話した。

 総務省の周波数割当は2007年夏ごろにも決定するといわれているが、小野寺氏は「そういう(品質を確保したサービスを提供できる)通信事業者を選んでほしいというのが本音だ。WiMAXは次世代のサービスとして、(携帯電話とは)別のサービスのインフラになると思っている」と語った。

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(@IT 垣内郁栄)

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