使っていないようで使っているCRM

クレームが来ないコールセンターを実現? MS Dynamics CRM

2006/12/26

 マイクロソフトは、9月に発売したCRMアプリケーション「Microsoft Dynamics CRM」のコールセンター向けソリューションを強化する。ネクストコムと共同のセミナーを展開。ネクストコムはDynamics CRMをカスタマイズしたCTIのデモンストレーションを始めた。マイクロソフトは「Microsoft Office」との連携をアピールし、エンドユーザーの使いやすさを訴える。キーワードの1つは「クレームを防ぐコールセンター」の確立だ。

 Dynamics CRMは2つの点でOfficeと連携する。1つはインターフェイスの統一。Dynamics CRMはWebブラウザのほかに、「Office Outlook」をフロントエンドとして利用することが可能。電子メールの内容と営業の案件情報などを同期して管理できる。

dynamics01.jpg マイクロソフト ビジネスソリューションズ事業統括本部 プロダクトマーケティング本部 製品戦略部長 新保将氏

 もう1点はリアルタイム連携。多くのCRMアプリケーションは顧客リストなどを「Office Excel」のフォーマットに出力することができるが、そのリストは出力した際の静的な内容に過ぎない。対してDynamics CRMは、SQL Serverと連動し、動的なリストを出力することができる。ほかのアプリケーションから入力された情報をリアルタイムに活用できる。

 マイクロソフト ビジネスソリューションズ事業統括本部 プロダクトマーケティング本部 製品戦略部長 新保将氏は、このリアルタイム性がコールセンターソリューションに利用できると考えている。「(携帯電話などの)コールセンターでは顧客の未払いや支払済みの情報が極めて重要だ。支払済みの顧客に督促の電話をかけるとクレームを受ける。オペレータが参照するデータは常に最新でないといけない。ちょっとのことでクレームを防げる」

 普段使っているツールで顧客管理ができるのもDynamics CRMの特徴と新保氏は話す。営業担当はこれまでと同じようにExcelを使うだけで、顧客管理や社内のスタッフ管理ができる。情報の入力、参照、出力ともExcelを使うことができ、CRMアプリケーションを使っている意識は現場スタッフには、ないかもしれない。しかし、この意識のなさがCRMアプリケーションの定着につながる。「Excelは個人向けツールとしてはとてもよいがグループや組織向けとしてはもう1つ。Dynamics CRMを組み合わせることで、ツールを増やしたという意識を持たせずに効率化できる」

 「相当ある」というDynamics CRMの商談で目立つのはコールセンターと営業支援(SFA)。現状はパートナーに対してDynamics CRMを紹介している段階だが、2007年初めからはパートナーが顧客にDynamics CRMを導入し始めるとみている。

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(@IT 垣内郁栄)

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