まもなくパブリックベータ公開か

eBayがオークションアプリ開発中、アドビ版ウィジェット「Apollo」とは

2007/01/17

 米アドビ システムズは、同社版のウィジェットともいえるミニアプリケーションの実行基盤「Apollo」を開発している。2007年上半期にパブリックベータを公開し、下半期には正式版を提供開始する計画だ。アドビのプロダクト&セールスエンジニアリング部 プロダクトスペシャリスト 太田禎一氏は「Web技術の脱ブラウザを実現する」と話す。

Web技術でクライアントアプリを開発

 Apolloはデスクトップのクライアントアプリケーションを稼働させるための実行環境(ランタイム)だ。最大の特徴はHTTP(Ajax)、Flash、PDFの各Web技術で開発したアプリケーションを1つの環境で実行できること。従来、これらのWeb技術はWebブラウザでしか稼働しないケースがほとんどだったが、クライアントアプリケーションでも利用できるようになる。

 Apolloが開発される背景は「Webブラウザの制約が目立ってきたから」と太田氏は語る。どれだけ作り込んだWebアプリケーションでも、PCのローカルファイルにアクセスしづらいことや、Webブラウザのインターフェイスに縛られ自由なデザインができないなどWebブラウザの制約を受ける。Webアプリケーションがオフラインでは機能しないというのも開発者にとっては大きな制約だ。

 ApolloはAjaxやFlash、PDFなどのWeb技術を活かしながら、Webアプリケーションを超えるクライアントアプリケーションを開発できる。アプリケーション本体と接続インターフェイスの間にPCの接続状態を検知する「ネット接続検知API」を持ち、オンライン、オフラインの状態に応じてアプリケーションの挙動をコントロール可能。例えば「オフライン時にはローカルにキャッシュする」などの機能実装ができ、太田氏はグループウェアや電子メールクライアント、CMS投稿システムが適していると説明した。

apollo01.jpg Apolloの概要。複数のWeb技術を組み合わせてアプリケーションを開発できる

Win、Mac、Linuxの各OSで稼働

 また、ローカルディスクに保存されているファイルを活用するアプリケーションも開発可能で、デジタル写真のビューワや音楽プレーヤー、ファイルアップローダなどの開発が考えられるという。Webブラウザが予約するキーの制限を受けないので、ファンクションキーを多用するデータ入力のアプリケーションなどにも向いている。さらにバックグラウンドで稼働させ続けるRSSリーダーやメッセンジャーソフトウェア、ネットオークションのクライアントも開発できるという。

 Apollo向けに開発するアプリケーションは、同一コードでWindows、Mac、Linuxの各OS上で動かすことができる。ApolloのアプリケーションはFlex Builder、Flash Professional、Dreamweaverなどで開発可能だが、Apolloのパッケージングツールを使えばHTMLベースのアプリケーションでもApolloアプリケーションにすることができ、太田氏は「開発ツールはメモ帳でもいい」と話した。

eBayがApolloでオークションアプリを開発

 太田氏は2つのApolloアプリケーションをデモンストレーションした。1つは金融サービス向けのローン申請のアプリケーション。HTML、Flash、PDFで開発したアプリケーションで、フォームに必要なデータを入力し、送信できるようになっている。フォームはPDF、シミュレーションのグラフはFlashやAjaxを使っていると思われる。

apollo02.jpg Apolloで開発したローン申請のアプリケーション

 もう1つのアプリケーションは米国のオークション大手、eBayが開発中のオークションクライアント。eBayが公開しているWebサービスAPIを読み込んで出品商品の検索や入札が可能。Flashを使ってリッチな表現を実現している。オークションクライアントを使った入札も可能。太田氏はPCに接続したWebカメラで商品を撮影して、クライアントに直接取り込み、シームレスに出品できる様子を示した。

apollo03.jpg eBayが開発中のオークションアプリケーション

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(@IT 垣内郁栄)

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