東京・霞ヶ関

「3Dコスプレ」もある――NTTデータのショールームを見てきた

2007/01/22

 NTTデータのショールーム「INFORIUM」(インフォリウム)が1月9日にリニューアルオープンした。NTTデータの最新サービスや技術が分かる施設として開設以来、事前予約制ながら1日30人以上の来場者を集める人気施設だ。リニューアルでは、地方自治体などの防災体制を支援するソリューションを展示する「防災・危機管理ソリューション」や、情報漏えい対策、セキュリティ対策のソリューションを集めた「SmartCabit」を追加した。そのインフォリウムを見てきた。

nttdata01.jpg エントランス近くのシアター

 インフォリウムがあるのは東京・霞ヶ関の霞が関ビル。官庁街にも近く、自治体の担当者も多く訪れる。社会見学の学生なども来るという。

nttdata02.jpg 無線ICタグのデモ。ICタグが付いた光ディスクを持ちゲートを通ると警告が出る

 来場者がまず訪れるのはエントランス近くのシアター。「ThinkPad」が装備された座席に座り、NTTデータの概略をスクリーンで見る。ついで案内されたのは注目されている技術を集めて紹介する「トピックスゾーン」だ。現在は無線ICタグを使ったソリューションなどが展示されている。キャビネットに無線ICタグのリーダーが組み込まれていて、パッシブ型の無線ICタグを貼付した光ディスクを持ち出すとシステムが検知し、ログが残る仕組みや、光ディスクを外部に持ち出そうとすると検知して警告を発するゲートのデモンストレーションが見られる。

 また、鉄道などの遺失物管理用に、落し物をした人がPCで検索すると、その対象物に付けられたクリップが点滅し、場所を知らせるシステムのデモもある。クリップにはアクティブ型の無線ICタグが付けられていて、PCによる検索と連動して点滅するようになっている。

画像を認識し3D画像を表示

 面白かったのは「3Dコスプレ」ともいえる「パッとび」のデモ。パッとびはポスターや写真、透かし情報を認識し、その情報をサーバ側に送信する技術がベースになっている。情報を受けたサーバがリクエストに基づきサービスを提供する。デモでは、用意されているカメラに情報を埋め込んだマーカーをかざすと、瞬時に3Dの合成画像が作成され、ディスプレーに表示される様子が示された。ディスプレーのマーカーの位置に3D合成画像が表示されるので、ドレスが表示されるマーカーを持っていると「コスプレ」しているようにも見える。

nttdata03.jpg 情報が埋め込まれたマーカーを持ち、カメラの前に立つと……
nttdata04.jpg ディスプレーにそのマーカーから読み取った3D画像が人物と合成され、表示される

 パッとびは携帯電話向けサービスがすでに実用化されている。携帯電話のカメラで映画のポスターや商品のパッケージを撮影すると、パッとびアプリケーションが画像を認識。映画や商品の情報を掲載したWebサイトにアクセスできる。

実際に災害に応じて対応を指示

 新たに追加した防災・危機管理ソリューションでは「防災・危機管理システム」を説明。同システムは事前に取り決めた対応方法を、実際の災害に合わせて変化させ、次の対応手順を指示する支援システム。自治体などでの利用を想定しているが、企業のBCP(事業継続計画)支援としてNTTデータのほかに資生堂が採用している。資生堂は首都圏の地震を想定したBCPを策定しているという。

 もう1つ追加したSmartCabitはICカードや指紋認証を使った情報漏えいのソリューション。主に自治体や官庁への導入を想定している。ICカードによる入退場ゲートや資料を出力するプリンタの制御、ログ管理システム、シンクライアントなどを展示している。

 ほかにソリューションゾーンでは、衛星画像を使った地理情報コンテンツサービスや、音声認識技術を使った航空管制向けの訓練システムを展示する。

(@IT 垣内郁栄)

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