中小企業への販売活動も強化

IBMを抜いたHP、2007年の国内目標は全サーバ市場でのNo.1

2007/01/25

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月25日、2007年にメインフレームを含む国内のサーバ市場全体における1位の座の獲得を目指すと宣言した。同日開催されたサーバおよびストレージに関する事業説明会で日本HP 執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本芳武氏が語った。

hp01.jpg 日本HP 執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本芳武氏

 松本氏は直近の決算における世界売上でHPがIBMを上回ったと報告、「両社の製品ポートフォリオの違いはあるものの、40数年ぶりの首位の座の交代だ」と喜びを表現した。

 松本氏は第3世代ブレードサーバと呼ぶ「HP Blade System c-Class」の投入を2006年最大のトピックとして紹介、さらにItaniumへの移行が進んだことが大きな成果だと話した。2007年は日本市場におけるテクノロジリーダーとしての地位を確立していきたいという。台数ベースでは全サーバで国内第1位のシェアを誇る同社も、金額ベースでは一部ベンダに及ばない。その点を質問されると、「日本ではメインフレームが全サーバ市場の30%程度を占めるから」と説明、「今年はメインフレームを含めてNo.1を取れるようにしていきたい」と力を込めた。

 その意気込みを裏打ちするかのように、日本HPは新製品攻勢を進めている。1月18日には中小企業向けの統合的なNAS製品「HP StorageWorks All-in-One Storage System」、1月24日には中小システム向けのItanium 2搭載サーバ「HP Integrityサーバrx2660」、そして1月25日には「HP ProLiant」シリーズで8シリーズ22モデルのXeon 5300番台搭載製品を一気に発表した。これらは、大手ユーザー企業に一定の強みを持つ同社が、中小企業の掘り起こしを強化していこうとする動きの一環だという。

 2007年、日本HPはHP Blade System c-Classで、市場の2倍以上の成長と40%のシェア獲得を目指す。市場は低価格とパフォーマンスの2極分化から、信頼性や環境への配慮を含めた多様化に向かっているとし、こうしたニーズに合わせて選択肢を増やしていく予定だ。c-Classに搭載可能なIntegrityサーバのブレードを提供する予定もある。

 NonStopサーバではItaniumプラットフォームへの移行が進み、出荷の80%を占めるようになってきているが、2007年後半にはデュアルコアItanium 2 9000番台搭載の製品を出荷の予定だ。

 ストレージでは2006年、特にミッドレンジの伸びが大きかったという。2007年はディザスタリカバリのソリューションに力を入れるほか、ソフトウェアではILM(情報ライフサイクル管理)に焦点を当てたソフトウェア製品を投入、さらにHP StorageWorks All-in-One Storage Systemをはじめとした中小企業向けストレージシステムを積極展開していく。

 Integrityサーバではミッドレンジからハイエンドでのシェアを現在の43%程度から50%程度に拡大、その一方でHP Integrityサーバrx2660のような中小システム向け製品の投入を進める。rx2660は約50万円からの廉価な製品だが、Itanium 2プロセッサを搭載、HP-UXをOSとして、業務上重要なデータベースサーバとしての信頼性を訴求する。同社エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏によると、「Windowsではミッションクリティカルなサーバにパッチを当てる作業1つをとっても不安が残る。UNIXの優位性は中小企業でも発揮できる」と話した。

(@IT 三木泉)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)