防水最薄の17.9mmで女性もターゲット

お風呂に落としても大丈夫な薄型ケータイ

2007/01/30

 2月2日に発売されるNTTドコモの防水スリム携帯電話「FOMA F703i」は、お風呂で使えるおしゃれな富士通製のケータイだ。これまで防水といえばアウトドア志向のがっちりしたタイプが主流だったが、F703iは防水携帯電話端末としては最薄の17.9mmを実現。デザインにも配慮することで、アウトドア派ではなく、入浴時やキッチンで使いたいカジュアルなユーザー層の開拓を狙う。テレビCMには木村拓哉さんを起用し、シャワーを浴びながら意味深で断片的な会話をするドラマチックな映像を使う。

f703i01.jpg お風呂でメールや通話を楽しめる富士通製のF703i
f703i02.jpg お湯に浸けたり完全に落としても問題なく動作する
f703i03.jpg 水深1mに30分間放置しても浸水しない

ユーザーの約77%が防水ケータイに関心

f703i04.jpg 富士通 モバイルフォン事業本部長 経営執行役 富田達夫氏

 同社のアンケート調査では「77.2%のユーザーが防水ケータイが欲しい、もしくは興味があると回答している」(モバイルフォン事業本部長 経営執行役 富田達夫氏)という。防水ケータイを不要とした回答でも、「デザインが悪くなりそうだから」、「防水ケータイは無骨だから」といった回答が目立ち、「デザインが悪いから敬遠している人が多い」(富田氏)という。

f703i05.jpg フィルムケーブルと一体成型された新開発のカスケット

 こうした背景から同社では3年前から防水ケータイ薄型化の研究開発に着手。当初29.8mmだった試作機を徐々に薄くし、17.9mmにまでこぎ着けた。防水仕様にするとき最も厚みを抑えにくいケースカスケットをフィルムケーブルと一体成型し、大幅な薄型化を実現した。また、これまで一般的な防水の電子機器では電池カバーを特殊なネジで強固に締めるなどしていたが、F703iでは、新たに特殊ロック構造を開発。電池と電池カバーの間に金属とゴムを貼り合わせたパッキン付きプレートを挟む構造にしたことで、通常の電池カバー同様の手軽な着脱が可能になっている。こうした基礎技術を元に、「今後、防水機能がケータイに必須のものになっていくのなら、さらに15、14、13、12mmと薄型化していきたい」(モバイルフォン事業本部長代理 佐相秀幸氏)と薄型防水ケータイの市場開拓に意欲を見せる。

 防水機能は本格的だ。IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)で規格化されているIPX5とIPX7に対応した。IPX5は、シャワーや水道水、雨などの、あらゆる方向からの直接噴流に対して浸水を防ぐ防水性能。IPX7は、常温で水道水、かつ静水の水深1mのところに30分間放置しても浸水しない防水性能。規格上は常温の水となっているが「40度前後のお風呂のお湯に浸けても問題はない」(説明員)という。

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(@IT 西村賢)

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