標準技術になるか

HPがブレードに実装、ネットワーク接続の仮想化でうれしくなるのは?

2007/02/22

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2月22日、ブレードサーバのイーサネットポートやストレージポートを仮想化することで、構成変更時の作業を軽減するインターコネクト製品「HP バーチャルコネクト」を3月上旬に出荷開始すると発表した。HPは「バーチャルコネクトはサーバの標準技術になるのでは」と大きな期待を寄せている。

hp01.jpg 「HP バーチャルコネクト」を持つ日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 山中伸吾氏

 バーチャルコネクトはHPのブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」のエンクロージャ「HP BladeSystem c7000」で利用できる製品。一般的にはサーバとネットワーク機器、ストレージ機器はMACアドレスやワールドワイドネーム(WWN)でお互いを認識する。サーバ構成を変える場合にはサーバにひも付けられるMACアドレスやWWNも変更されるので、当然ネットワーク機器やストレージ機器の設定も変更する必要がある。

 日本HPのブレード・バリュープロダクトマーケティング部の山中伸吾氏はこのネットワーク機器、ストレージ機器の設定変更が「ITシステム変更の遅延要因になる」と指摘する。企業によってはネットワークやストレージをサーバの担当チームとは別のチームが管理している場合がある。その場合は、設定変更のために会議を開いたり、申請を出す必要があり、「組織の壁がシステム変更速度を減速させる」(山中氏)。バーチャルコネクトは組織の壁を含めてシステム変更の手間を軽減する。

 バーチャルコネクトは、サーバごとではなく、サーバを格納するエンクロージャのスロットごとに仮想のMACアドレス、WWNを持たせることができる。スロットに挿すサーバを変更してもこの仮想アドレスは変更されない仕組みで、ネットワーク機器やストレージ機器側から見るとサーバのアドレスは常に一定になる。

 仮想アドレスの管理は「Virtual Connect Manager」で行う。GUIでスロットに割り当てるプロファイルを管理できる。プロファイルにはVLANの設定などを組み込むことができ、HPは「ネットワークの知識がなくても管理できる」としている。

 バーチャルコネクトはイーサネット用製品(76万円)とファイバチャネル・ストレージ用製品(128万円)がある。エンクロージャ背面のインターコネクトトレイに挿して使う。

 HPは同日、HP BladeSystem c-Classの100ボルト電源対応や、工場組み込み型サーバ導入サービス「HP Factory Express」のブレードサーバ対応の拡充なども発表した。同社 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 部長の正田三四郎氏はHPのブレードサーバについて「ほかに類を見ない充実した構成だ。ラックマウント型サーバとほとんど差がなく、ブレードの利用で妥協をしなくてもよい」と話した。

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(@IT 垣内郁栄)

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