Google Apps注目の一方で

無料ドメインにメール、「Microsoft Office Live」を忘れていないか

2007/03/08

 マイクロソフトが2006年12月に開始した中小企業向けのホスティング、電子メールサービス「Microsoft Office Live」(ベータ版)が、ほぼ忘れられている。同じく中小企業をターゲットにした「Google Apps」が高い注目を集めるのとは正反対だ。しかし、Office Liveには高い可能性があるのではないか。試してみた(参考記事)。

新規ドメイン名取得、更新料が無料

 Office Liveは無料のドメイン名登録とWebサイト構築、ホスティング、それに電子メールを組み合わせたビジネスプラットフォームサービスだ。サービスは機能別に3タイプあるが、注目したいのはどのタイプでもドメイン名の新規取得や更新が無料なこと。決められたドメインリストやサブドメインから取得するのではなく、ユーザーが任意のドメイン名を設定できる。取得できるのは「.com」「.org」「.net」の3種。自分が持つドメイン名を持ち込むこともできる。

officelive01.jpg 任意のドメイン名を取得できる

 サービスは、無料の「Basics」と有料の「Essentials」「Premium」の3つがある。機能比較は下記に掲載したが、ポイントはWebサイトを構築する方法。Office Liveは3タイプともWebサイトを構築するツールが用意されていて、WebブラウザだけでWebサイトを構築できる。有償のEssentials、Premiumでは既存のWebサイトを自分のドメイン名に移行することも可能だ。移行には「Microsoft Office FrontPage 2003」を使う必要があるが、デザインの幅が広がるのは間違いない。機能比較の詳細はマイクロサイトのWebサイトを確認。

officelive02.jpg 3タイプの機能比較

AjaxベースのツールでWebサイト構築

 標準ツール「Office Live Site Designer ツール」はAjaxベースのインターフェイスを備え、最新のOffice 2007と同様にWebサイトのテーマやスタイルを選ぶだけで、テンプレートが適用され、簡単にページを作成できる。テーマは企業の業種別に分かれていて、関連する画像も用意されている。動的なWebサイトや凝ったデザインは難しいが、「会社の看板」的なWebサイトなら簡単に対応できるだろう。Webサイトのページビューやリファラデータが参照できるレポーティング機能もある。

officelive03.jpg 標準の「Office Live Site Designer ツール」
officelive04.jpg Webサイトのテーマを選ぶことでテンプレートを適用できる

電子メール、予定表を用意

 電子メール機能「Office Live Mail」は、Windows Live Mailがベースで、Webメールとして使う。Basicsは25個までメールアドレスを取得できる。Essentials、Premiumでは「Microsoft Office Outlook」でもメールの読み書きができる。また、同じ画面内で予定表、連絡先などが利用可能。ほかのユーザーと情報共有でき、中小企業ならグループウェアとして利用できるだろう。

officelive05.jpg 電子メール機能の「Office Live Mail」
officelive06.jpg 予定表機能。ほかのユーザーと共有ができる

 Essentials、Premiumは、顧客情報を管理できる「Business Contact Manager」やスケジュール共有、社内設備の予約などができる「GroupBoard」、プロジェクトの進ちょくをガントチャートで管理する「プロジェクトマネージャ」、共有ファイルのバージョン管理などを行う「ドキュメントマネージャ」などが利用できる。Wikiベースの専用ワークスペースや、アクセス権限を制限して利用させることができる顧客用ワークスペースなども用意する。

自由度が広がれば人気呼ぶか

 Office Liveは4月以降に本サービスを予定していて、ベータ期間中はEssentials、Premiumが無料で利用できる。マイクロソフトは本サービス移行後のEssentials、Premiumの価格を明らかにしていないが、先行する米国ではEssentialsが月19ドル、Premiumを月39ドルで提供している。

 実際に使ってみて最も価値があると思えたのは無料のドメイン名取得とそのドメイン名を使った電子メール利用だった。中小企業にとっては無料で自社ドメイン名の電子メールアドレスを運用できることになり、メリットは大きい。

 Webサイト構築は、Office Live Site Designer ツールは確かに高機能だが、作成できるページが限られる。フリーのBasicsでは動的なコンテンツや別のツールで開発したコンテンツをアップできないなど自由度が低いのも気になった。有償のEssentials、Premiumを使ったところで、別のツールで開発したコンテンツのアップはFrontPage 2003を使う必要があり、手間だ。中小企業とはいえ、最新技術を使ったネットサービスを展開する企業はたくさんある。自由度がもっと高いとユーザーの支持を集めるのでは、と思った。

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(@IT 垣内郁栄)

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