ジャストシステムがxfy Enterprise Edition 1.5を発表

「数十年後にはXML以外のデータは存在しなくなる」ジャスト浮川社長

2007/03/14

xfy01.jpg ジャストシステム 代表取締役社長 浮川和宣氏

 ジャストシステムは3月14日、XMLアプリケーションの開発基盤とクライアント実行環境を統合的に提供する「xfy Enterprise Edition 1.5」を発表した。価格は750万円(税別)からで3月23日に世界同時発売する。IBMのDB2 9やOracle Database 10gとの連携が行える「xfy Adapter」もオプションとして同時に発売。価格は各100万円(税別)から。日本国内をはじめ、ニューヨークとロンドンを拠点に欧米の大手企業にも販売し、「来年度は数十億円の売り上げを見込む」(代表取締役社長 浮川和宣氏)という。

 xfyは、これまでデータベースやオフィスドキュメントとして蓄積されてきた企業内のデータをXMLデータとして一元的に管理・活用するためのフレームワーク。xfy Serverに対してxfy Enterprise Clientからアクセスすることで各種XMLデータを、さまざまに表示したり、加工したりできる。xfy Enterprise Clientは標準でXHTMLエディタとして機能し、ベクターグラフィックの「SVG」、数式を表す「MathML」といったXMLベースのマークアップ言語の表示や編集をサポートする。ユーザーは、開発環境の「xfy Developer's Tookit」を使い独自のコンポーネントを自作することもできる。

 また、表計算向け関数が扱える「Calclet」やグラフを描くための「チャートコンポーネント」が組み込んだ。今後、コンバータを提供することでマイクロソフトのオフィス文書も読み込めるようにするほか、オープンなオフィス文書規格「ODF」に対応するコンポーネントも来年中をめどに提供予定という。

xfy02.jpg xfy Enterprise Clientで表とグラフを表示した例

 xfy Server上では、すべてのデータがXMLデータで保存されているため、社内に蓄積されている情報の流用が容易にできる。例えば営業部が作成したデータを、マーケティング部の販売予測のプレゼンテーション文書に直接埋め込んだり、経理部が作成した書類から、会計監査用の書類を動的に生成するといったことができる。そうした定型業務をロジックとして定義するための開発環境として「xfy View Designer」も提供する。

 浮川氏は、「現在、基幹系とか業務系と呼ばれるシステムと情報系のシステムは別々に存在しているが、分かれていることがおかしいのではないか。xfyでは社内の情報を統一的に扱う。XMLは、そのぐらい柔軟でカバー範囲が広い。XMLは登場から約10年で“使える”ということが認識されてきた。今後さらに利用は広まり、数十年後にはXML以外のデータは存在しなくなるのではないか」とXML関連事業にかける意気込みを語った。

(@IT 西村賢)

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