通話以外のサービスに収益源をシフト

Skype、ユーザーが情報提供で課金できるシステム搭載

2007/03/15

skype01.jpg Skype日本オフィス ジェネラルマネージャ 岩田真一氏

 専門知識やニッチな情報を持つユーザーが、音声でアドバイスや情報提供を行うことで対価を得られる――、3月15日に発表されたSkypeの新バージョン「Skype 3.1 for Windows」には、「Skype Prime」と呼ばれる新機能が追加された。「これはボイスサービスのロングテール。情報提供者と、情報を探している人を結びつける新たなマーケットプレースを提供する」(Skype日本オフィス ジェネラルマネージャ 岩田真一氏)。

個人ユーザーが専門知識を少額で提供

 情報提供を希望するユーザーは、あらかじめ提供する情報のジャンルや内容、料金を登録する。料金は分単位の課金や、1回の通話の課金などから選ぶ。情報提供者は、サービス内容とSkypeへの発信ボタンを埋め込んだHTMLを、自分のブログやWebサイトに埋め込むなどしてサービスをアピールできる。一方、情報の受信者は、そうしたサービス告知や検索で提供されている情報を探し、通話を申し込む。受信者は、通話が終わった時点で料金を支払うかどうかを決められる。

 Skype Primeでは、提供できる情報のジャンルとしてポルノ、暴力、医療関連、税金関連、法律関連のアドバイスなどは禁止されている。また、ユーザーからの苦情を受け付ける窓口を用意することで違法性の高い情報の蔓延(まんえん)を予防する。

skype02.jpg Skype Primeのサンプル。1分1ドルでパソコン操作のアドバイスなどを提供できる

 現在、決済通貨はユーロとドルのみで、代金の受け取りは小口決済サービスのPayPalで行う。PayPalはSkype同様にeBayの100%子会社で、欧米を中心に利用されているサービス。3月9日には日本語化されており、日本からの利用も可能。

 Skypeは、Skype Primeで支払われる代金のうち30%を手数料として徴収する。今までSkypeは公衆網との相互接続サービス「Skype-Out」で発生する通話料金が主な収益源だったが、岩国氏は「今後、Skype Primeが収入の柱となることを期待している」という。Skypeが、こうした新サービスを開発する背景には、テレコム業界を襲う通話料ゼロ時代のビジネスモデルの構築という流れがある。「今後、電話の通話料金は無料になっていく。われわれもテレコムに依存しているわけにはいかない。Skype Primeは新たなチャレンジの第一歩」(同氏)とし、Skypeをプラットフォームにした収益源をSkype Prime以外にも模索していく考えだ。

 また、Skype Primeは「自分たちで考えたことというより、ユーザー側からの要望で生まれたサービス」(同氏)という。すでにSkypeを使って通訳や語学レッスンのサービスを有償で行っているユーザーが多く、そうしたユーザーからの要望があったという。

Wiki的な電話帳「SkypeFind」

 Skype 3.1には、Wikiライクなコミュニティ機能を追加する「SkypeFind」も追加された。これまでベータ版として提供されてきた機能で、電話番号と、それに付随する情報を共有するサービス。例えば、よく行くレストランやバー、お気に入りの本屋さんなど、おすすめのお店を登録して、すべてのSkypeユーザーと共有できる。店舗情報として電話番号を登録すれば、そこに別のユーザーが情報を加えたり、すでに書かれた情報を編集することができる。また各エントリは3段階で評価でき、評判を知ることができる。サクラ防止のために、レイティングシステムだけでなく、実際にSkype-Outで電話がかけられた回数もカウントする。

 キーワード検索でヒット件数がゼロとなった場合、他のユーザーにおすすめを聞くというインターフェイスも提供する。例えば「東京 モロッコ料理」で検索がヒットしなかった場合、“ムードメニュー”の編集画面が表示される。ムードメニューは、バディリスト上に表示する短いメッセージで、Skypeユーザーがその日の気分やひと言メッセージを書く欄。ムードメニューに「東京でおいしいモロッコ料理の店を知りませんか」などと書くと、そこがクリッカブルになり、複数人が参加できる“オープンチャット”へ誘導できる。オープンチャットは合計100人まで参加できる。

 このほかSkypeFindでは、自分の知り合いが追加したエントリは、「お知らせ」に表示されるなど、店舗情報をベースにしたコミュニティサービスの側面を持っている。現時点では「このサービスで収益を得ようとは考えていない。ユーザー同士で使っていくもの」(岩国氏)としながらも、将来的には何らかの形で収益モデルを模索する可能性もあるという。ベータテスト期間中に124カ国で約4500件のエントリが登録されているが、年内に100万件の登録を見込む。

 なお、Skypeによれば、現在Skypeユーザーはワールドワイドで約1億7100万人。うち日本人ユーザーは推定で約420万人。

skype03.jpg SkyepFindで登録されている和食レストラン情報の例

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(@IT 西村賢)

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