日本IBMが大学講座を企画

Web 2.0好きの学生さん、企業ITも学んで

2007/04/05

 日本IBMの執行役員 システム製品事業担当の渡辺朱美氏は4月4日、同事業の今年の施策を説明し、学生のIT離れが進んでいるとして大学との協力を進めることを発表した。IBMは武蔵大学とIT基礎教育授業の企画で協力することをすでに決めている。渡辺氏は「ITに興味を持つ数少ない学生でもWeb 2.0のような流行モノに目が行きがち。企業で使われる実際のITインフラに触れてもらいたい」と話した。

ibm01.jpg 日本IBMの執行役員 システム製品事業担当の渡辺朱美氏

 渡辺氏は「業界全体で技術者不足が課題になっている」と指摘。特に学生のIT業界離れが進んでいるとして、教育機関との連携を進めると説明した。武蔵大学との協力では、同大が2007年9月に開始する経済学部のIT基礎教育授業「デジタル協働学基礎」を、IBMが企画し、講師を派遣する。

 IBMは同大に対してオフコンサーバの「IBM System i」とERPソリューションの「IBM iSeries Site」、グループウェアの「IBM Lotus Notes/Lotus Domino」を無料貸与する。学生はシステム構築や、ERPソリューションを使った会社経営シミュレーション、グループウェアによる進ちょく管理を学ぶ。渡辺氏は「ITを本格的に学ぶきっかけになれば」としている。

パートナー活用で中小企業を開拓

 ハードウェアを担当するIBMのシステム製品事業部が2007年に注力するのはビジネス・パートナーの活用による中堅中小企業の開拓。サーバ統合、仮想化の手法である「Zodiac」と「CDAT」をパートナー企業に提供する。Zodiacはサーバ統合を行った場合のTCOへの影響を分析できるコンサルティングサービスで、すでにパートナーが利用している。CDATは2007年3月からパートナーが利用し始めたツールで、企業が抱えるITリソースを自動で収集し、サーバ統合の最適モデルを弾き出す。

 新規顧客や二次代理店の開拓を進めるパートナー向けに、マーケティング費用やセミナー、研修費用の一部をIBMが負担する「パートナー・グロース・プログラム」も開始する。渡辺氏は「パートナーに付加価値が高いビジネスをしていただき、自立してもらうのが目的」と話した。

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(@IT 垣内郁栄)

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