米イコールロジックが日本法人設立

iSCSI変革におけるリーダー企業になりたい

2007/04/12

equallogic01.jpg 米イコールロジック 社長兼CEO ドン・ビュレンス氏

 iSCSIに特化したストレージ機器ベンダの米イコールロジックが4月12日に日本法人を設立、報道関係者に対して同社の事業を説明した。

 米イコールロジック 社長兼CEOのドン・ビュレンス(Don Bulens)氏はIDCのストレージ市場予測を引用し、ファイバチャネルSANは2010年まで市場が伸びずほとんどフラットだが、iSCSIは2005〜2010年の年平均成長率が75.8%に達すると説明した。

 また2001年設立の同社は、調査会社IDCの2006年9月の調査によると、iSCSI市場でシェア19%と、ネットワークアプライアンスに次いで第2位の座を獲得しているという。

 「当社は、ストレージ市場で最も伸びが著しい(iSCSI)セグメントにおいて、最も急速に成長している企業だ」(ビュレンス氏)。さらに同氏はネットワーク分野でトークンリングやATM、フレームリレーがイーサネットに取って代わられ、これとともに主要ベンダも交代したことを引き合いに出し、今後5年の間にストレージネットワーキングの主役もiSCSIに変わるとした。「こうした変革には、後押しする新しいリーダーが必要だ」。そしてイコールロジックはこのリーダーとしての役割を果たしていくという。

 同社はミッドレンジ・ストレージ市場をターゲットとしている。iSCSIの低コスト、管理の容易さ、長距離の到達性を生かして、これまでDASで運用されてきたストレージの更新やサーバ統合、ディザスタリカバリなどの需要を取り込んでいきたいという。

 iSCSI接続が可能なストレージ機器はこのところ増えているが、イコールロジックの機器は初期設定や容量の追加が簡単にできる点が大きな訴求ポイント。

 機器を利用できるようになるまでのインストール所要時間は約20分だという。また、最上位モデルでは1ユニット当たり4.8TBの容量を持つが、それ以上の容量が必要になった際には別のユニットを購入し、追加する設定を行うだけで、領域が自動的に拡張され、ユニット間でデータ量が平準化されるように自動的な割り振りが実施される。各ユニットはそれぞれコントローラを持ち、3本のギガビットイーサネットを接続可能で、ユニットを追加するたびに接続帯域、コントローラの処理能力の2つの点で拡張されることになる。現在8ユニットまでの拡張が可能で、近い将来にこの制限を16ユニットまで広げることも検討している。同社製品はすべてのモデルにわたって単一のファームウェアを使用しているため、モデルを混在して利用することもできる。

 イコールロジックの製品はシャーシ/コントローラとディスクドライブ、ソフトウェアを顧客ニーズに応じて組み合わせるのではなく、これらすべてをワンパッケージとして提供するところにも特徴がある。例えば新製品の「PS3900XV」は300GBのSASドライブを16のドライブベイすべてに搭載し、ソフトウェアライセンス料込みで推奨価格1470万円という設定になっている。しかもこのソフトウェアには、スナップショットやレプリケーション(複製)、ストレージの階層化の機能が含まれている。「オプション機能がまったくないのがこの製品の特徴」とイコールロジック 代表取締役 秋山将人氏は強調する。

 国内ではネットワンシステムズ、兼松エレクトロニクス、日鉄エレックスを販売パートナーとし、すでに60社以上に導入されているが、今後毎年3〜4倍のペースで売り上げを増やしていきたいと秋山氏は語った。

(@IT 三木泉)

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