シャープのシェアは63%

W-ZERO3大ヒットで出荷台数が2倍に、2006年スマートフォン市場

2007/04/26

 ガートナー ジャパンが4月26日に発表した2006年の国内PDA/ハンドヘルドPC市場は、2005年末に一般市場向けに投入されたシャープのスマートフォン「W-ZERO3」が大ヒットし、前年度と比べて出荷台数が2倍以上になった。シャープは市場シェアでも63%を占め、スマートフォン市場を席巻している。

 2006年のPDA/ハンドヘルドPCの出荷台数は52万6000台で、2005年の24万5000台から115.2%の増加。特に個人市場は229.6%と3倍以上に成長した。法人市場は17.2%増だった。2002年から2005年までは前年を下回るマイナス成長だったが、2006年になり市場が急拡大した格好だ。出荷台数が50万台を超えたのは2003年以来。

 市場の急拡大をけん引したのはW-ZERO3の大ヒットだ。ガートナーはW-ZERO3が受けた理由を「常時接続、大画面・高精細、フルスペック・ブラウザ、フル・キーボードなどの各機能に加え、端末提供価格が通信サービスの年間契約込みで3万9800円と、同レベルのスペックを持つ従来型PDA製品と比較して値ごろ感があったこと、通話/データ通信サービスが、比較的安価な定額制であったことなどが奏功」したとしている。

 また、2006年はNTTドコモやソフトバンクモバイルも法人向けにスマートフォンを投入したが、2006年当時にスマートフォンに注目するユーザーは、テクノロジに敏感な個人や仕事用に自己投資する企業内個人が多く、法人需要はいまひとつ盛り上がらなかった。

 ベンダ別シェアではシャープが他社を圧倒した。出荷台数は33万2000台で、シェアは63%。以下HTC、マイタック、日本ヒューレット・パッカード、カシオなどが続くがいずれもシェアは1ケタ台だ。ただ、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルが採用したHTCは市場参入1年目で出荷台数で2位につけるなど健闘した。

 ガートナーは2007年の出荷台数を6.2%増の55万8000台と予測。「2007年後半には、マイクロソフトの次期OS、Windows Mobile 6.0搭載製品の出荷に伴い、参入ベンダーと製品ラインアップの増加が見込まれています」としている。

(@IT 垣内郁栄)

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