価格の大幅な引き下げも同時発表

独自仮想サーバ製品イージェネラがXenを統合

2007/05/08

 イージェネラは5月8日、同社のサーバ製品シリーズ「BladeFrame」の機能強化と製品価格の大幅な引き下げを発表した。

 BladeFrameはx86系CPUを使ったサーバハードウェアで、RISCチップやItaniumを搭載したミッションクリティカル用途向けサーバと対抗する製品。独自の仮想化技術によって差別化を図っている。

egenera01.jpg イージェネラ 代表取締役社長 大木稔氏

 同製品はLinuxやWindows Serverを稼働することのできるブレードサーバ・システムだが、各ブレードにはCPUとメモリのみを搭載。ネットワークやストレージ用のI/Oは専用のコントローラモジュールが一手に引き受ける。このハードウェア構成を用いて単一あるいは複数のブレードを組み合わせ、仮想サーバを構成。構成情報をファイルとして管理する。このため、フェイルオーバやコンピューティングリソースの利用最適化に関する作業を自動化することが特色となっている。例えばある仮想サーバがダウンした場合に余剰リソースを使って代替の仮想サーバをその場で立ち上げ、ネットワークやストレージの設定情報も含めてすべて自動的に引き継ぐことができる。

egenera02.jpg BladeFrame(上位モデルEX)の構成

 イージェネラでは、リソースのよりきめ細かな割り当てを実現することで利用効率をさらに高めることを目的に、x86系サーバ仮想化技術のXenおよびVMwareとの統合を進めている。今回はまず、XenSourceの「XenEnterprise」のOEM提供を受けて組み込んだ「vBlade」ソフトウェアを販売開始した。vBladeではXen環境の管理を同社の管理ツールで一体的に実行することができる。ネットワークやストレージの構成の動的な移行や割り当てといったBladeFrameの持つ基本機能も適用することができ、Xenを単体で導入するよりも管理は容易になるという。VMwareとの同様な統合環境の提供開始は2007年秋を予定している。

 イージェネラは併せて、製品価格の大幅な値下げも発表した。小規模な筐(きょう)体にブレード2枚、同社の仮想化ソフトウェアを搭載したエントリ・モデルを、従来の約2300万円から約999万円に、ブレード24枚で192コア、768GBメモリを搭載した大規模構成では従来価格約2億200万円を約1億3600万円に下げた。

 イージェネラはこれまで、顧客のほとんどを金融関連が占めてきた。今回の値下げを機に、公共分野や製造業へ市場を広げていきたいという。同社の代表取締役社長 大木稔氏は、「日本ではこれまで5年間で40社の導入実績がある。今後1年半で、これを80社に広げたい」と話した。

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(@IT 三木泉)

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