著作権侵害フィルタリングやアーティストの本人確認を実施

マイスペースはSNS? それとも音楽コミュニティサイト?

2007/05/25

 マイスペースは5月25日、同社のSNS「マイスペースジャパン」がオープンから半年経過したのを受けて、報道関係者向けの説明会を実施した。同サイトは、5月10日に非合法コンテンツのフィルタリングシステムを導入したり、5月22日にモバイル版「マイスペースモバイル」ベータ版を開始するなど、新サービスを続々と開始している。

安藤氏写真 マイスペース 事業企画部 部長 安藤直子氏

 マイスペースジャパンは、米国のSNS「MySpace.com」の日本語版サイト。米MySpace.comは現在の登録者数1億7900万人、1日のユーザー増加数が約32万人で世界最大級のSNSだ。なお、日本のマイスペースジャパンのサイトデータは月間PVが約5900万PV、ユニークユーザーが約99.9万人。日本だけの会員数は非公開。収入はバナー広告とカスタムコミュニティの2種類。これらの広告を6月から販売する予定となっている。

 日本のユーザー属性は、性別が男性54%、女性が46%、年齢は20代が47%で1番多く、10代の21%、30代の19%と続く。居住地は関東が56%、近畿17%、東海が7%だった。マイスペース 事業企画部 部長 安藤直子氏は、ユーザー属性について「マイスペースは、mixiなどよりも音楽による結び付きが大きい点が特徴であるために、20代や10代が多いのではないかと考えている。居住地はmixiやgreeと同様に関東がとても多い」と説明した。

 マイスペースジャパンは、SNSを謳(うた)っているもののmixiのような招待制ではなく、誰でも入れるオープン形式となっている。安藤氏はそのほかの特徴として、「プロフィールページのカスタマイズ性が高い」「オープン&グローバル」「音楽・動画などのコンテンツが豊富」の3点を挙げた。プロフィールページは、かなりのカスタマイズが可能で、HTMLを自分で変更することでデザインをかなり変えることもできる。また、米MySpace.comが音楽コンテンツとのつながりが強いことから、マイスペースジャパンもミュージシャンとの関係を重要視しているほか、ライブやクラブイベントなどのリアルイベントとの連動にも力を入れている。

 例えば、あるアーティストがマイスペースジャパン上にページを作ると、そのアーティストのファンはファン登録することが可能となる。ファン登録をするとそのファンのページにアーティストを露出したり、そのアーティストの楽曲を流すことなどができるという。安藤氏は、「アーティストはマイスペースジャパン上にページを作ることで、マイスペースジャパン上で口コミが広がるようになる。これにより、ライブの集客が楽になったり、ファンに対してピンポイントで楽曲のプロモーションができるなど、マーケティング効果は大きい」と説明した。

 すでに登録アーティストは2万組を超えており、平原綾香、小室哲哉、Towa Teiなども登録している。インディーズアーティストの「たむらぱん」は、マイスペースジャパンに登録したことで、4カ月で1万人以上のファンを獲得したほか、ページで発売したアルバムは初版1000枚を完売した。このようなインディーズアーティストの成功例も出ているという。

 一方、ユーザーが音楽や動画をアップできることから、違法コンテンツの監視にも力を入れていくという。アーティスト登録の場合、メジャーアーティストはすべて本人確認を厳重に行う。本人に直接連絡するほか、所属事務所やレーベルにも連絡して確認するという。アーティストや一般ユーザーが登録した楽曲や動画は、すべて米Audible Magicの楽曲指紋データベースの情報と照らし合わせ、著作権侵害をチェックする。このチェックを通過したコンテンツも、人間が公序良俗チェックを行う。もし、著作権違反が認められた場合には、そのコンテンツをアップしたユーザーは「著作権教育プログラム」を受けないとIDが復活しない仕組みとなっている。何度も繰り返して著作権違反コンテンツをアップロードするユーザーは強制的にIDを削除する。

 「米国の場合、ワーナーやSony BMG、EMIと提携し、CD生産時から楽曲指紋を入れてもらっている。日本のレコード会社ともこの交渉をいましているところだ。この楽曲指紋システムはまだ日本のCDには入っていないが、各社前向きに検討してくれているので、近々搭載されるのではないだろうか」(安藤氏)と説明。マイスペースジャパンの位置付けについて、マーケティング部 部長 萩本良秀氏は、「社内でも、マイスペースジャパンはSNSなのか、そうじゃないのか。という議論がなされている。日本ではmixiのような招待制サイトがSNSと認識されている流れがある。その点、マイスペースジャパンは音楽が強いところから、音楽コミュニティではないかという説もある。一方、他社のSNSではブログから発展したSNSもある。いまのところ、マイスペースジャパンも『音楽の強いSNS』とアピールしていく予定だ」とコメントした。

 今後の展開は、6月にPC版のインターフェイスをバージョンアップするほか、イベントとの連携も定期的に実施していきたいとした。

(@IT 大津心)

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