Eclipse最新事情

開発プロセスがツールの振る舞いを決めるようになる

2007/06/13

Jazzのコンセプト

 米IBMの“Jazz”プロジェクトはEclipseのプラグイン技術として開発が進められている。それはIBM Rationalのソフトウェア開発支援ツールを相互に接続し、さまざまな立場の開発担当者間で交わされるコミュニケーションを円滑にしたり、開発工程の初期から終焉および運用段階まで使用される資産の管理を実現するための技術の総称である。

IBM写真(1) 米IBMのJohn Kellerman氏

 そのコンセプトはシンプルだ。Java Team Serverから標準的なプロトコルを介してJazzクライアント(およびそのほかのクライアント)、Jazz Eclipseクライアントと通信する。Java Team ServerはApache Tomcat(あるいはWebSphere)、Eclipse Equinox、Jazz kernel、WebGUI、Jazz Server Extentionsなど主にオープンソース技術で構成される。このサーバはJavaベースのRDBMSであるApache Derby(あるいはDB2)とも接続する。Jazz EclipseクライアントはJabberでほかのクライアントにメッセージを送る。

 このコンセプトをベースに同社では各機能コンポーネントを開発し、プラットフォームを構築する。例えば、ソース・コントロール、チーム・ビルド、ワーク・アイテムズといった具合。このプラットフォームを基盤として商用プロダクトを開発する。Jazzがプロジェクトだといわれるのはそのためである。同社ではJazzのインフラストラクチャ部分をオープンソースとして提供する予定だが、「現時点では(プラットフォームの)どの部分をオープンソースとするか決まっていない」と米IBMのJohn Kellerman氏(Manager, Eclipse Strategy)は言う。

 Jazzプロジェクトの商用製品第1弾がRational Team Concert ベータである。

EPF(Eclipse Process Framework)とJazz

 開発プロセスと開発支援ツールとの“有機的”な連携の例として、EPF(Eclipse Process Framework)とJazz技術の関係が挙げられる。開発プロセスの制約条件を定め、その条件に合わせてツールの振る舞いを規定するというもの。EPFには、XPやSCRUMといったアジャイル開発プロセスが組み込まれている。IBMではEPFのプロセスを、Rational Method Composer V7.2を介してJazz技術に適用し、開発プロセスと開発支援ツールのスムーズな連携を実現しようとしている。

IBM写真(2) 米IBMのPer Kroll氏

 工程の早期段階からテストを行い、手戻りの少ない開発作業を実現しようという考え方やコンセプトは、ソフトウェア開発の歴史の初期の頃からあった。2000年頃からアジャイル開発手法としてソフトウェア開発者の支持を集め始めたが、適用されるプロジェクトは比較的小規模のものが多かった。米IBMのPer Kroll氏(STSM, Manager RUP/RMC Project Lead - EPF, Rational Software)によると、IBMではアジャイル開発手法を大規模開発でも活用するため、ツールとの連携を含めた開発を行っていると話す。

(@IT 谷古宇浩司)

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