400以上の機能強化

米オラクル、4年ぶりの新版“11g”を正式発表

2007/07/12

 オラクルは7月11日(米現地時間)、最新版のデータベース「Oracle Database 11g」を発表した。製品のラインアップや価格は従来バージョンと同等で、製品出荷時期はLinuxプラットフォーム向けが8月中とアナウンスされたほかは未定。4年ぶりとなった今回のメジャーバージョンアップでは400を超える機能拡張を施したという。

 多くの新機能が搭載されているが、12日に北米とアジア各国を接続して行われた記者向けブリーフィングで、同社データベース・サーバー技術担当 シニア・バイスプレジデントのアンディ・メンデルソン氏は主に3つの機能を強調した。

ストレージ容量削減、冗長構成システムでのROI改善

 1つは今回のバージョンから実装された新機能「Real Application Testing」(RAT)。これは従来、数十日以上の工数をかけて行っていた各種検証作業を自動化する機能で、作業が数日レベルに短縮するという。「本番環境から実際のSQLステートメントを持ってきて、例えば10〜11時に負荷のピークがあるというような本番環境と同様の負荷テストが行える」(メンデルソン氏)。本番環境に導入する前に前バージョンの10gと11gでのパフォーマンス比較も可能という。

 2つ目の強化点はパーティションと圧縮機能の拡張だ。従来手作業が必要だったデータパーティション作業の多くを自動化したほか、既存のパーティション関数を拡張した。これらの機能拡張により、既存のデータベースの使用ストレージ容量を15〜20%削減できるという。

 3点目は障害対策に用いる「Oracle Data Guard」の機能拡張。11g以前にも、本番環境のほかにスタンバイ・システムを用意して冗長構成にする機能だが、11gではスタンバイ・システムからの同時読みだしを可能にしたことで、障害発生時以外にもレポートやバックアップといった用途で活用できるようにし、特に高負荷時の本番環境のパフォーマンス改善に役立てるようにした。

 こうした機能強化はコスト削減につながるもので、「10gのときの2倍のペースで新バージョンへの移行は進む」(メンデルソン氏)と見ているという。IOUG(Independent Oracle Users Group)メンバーが2000の企業を対象に行った調査では、35%の企業が1年以内に11gにアップグレードする意向があると回答したという。

多様な非構造化データのサポート

 セキュリティ・内部統制に関連する機能強化点として、暗号機能の強化が挙げられる。これまでカラム単位であった暗号オプションを、インデックスも含めたテーブル全体に適用することができるようになった。暗号化はLOB(ラージオブジェクト)でも有効。

 また、新たに導入された「Total Recall」ではデータベース操作時にデータの差分を記録することで、過去の任意の時点でのデータを呼び出すことができる。データの変更追跡や監査に有効という。11gの機能ではないが、メンデルソン氏は発表済みの製品である「Oracle Database Vault」や「Oracle Audit Vault」の存在を挙げ、高度なセキュリティを実現できると話した。

 このほか新規市場にアピールできる機能強化としてメンデルソン氏は、従来からデータベースで扱ってきた構造化データだけでなく、非構造データと呼ばれるさまざまなデータ形式のサポートを強化した点を指摘する。

 XML DBはパフォーマンスを改善、バイナリXMLやXQuery、JSR-170、SQL/XMLなど業界標準の検索インターフェイスに対応した。画像やオブジェクトを扱うLOBは、新たにOSのファイルシステムと高い互換性を持った「Oracle Fast Files」機能で格納されるようになり、「Linux上ではLOBはLinuxのファイルシステムと遜色のないパフォーマンスを出せる」ようになったという。

(@IT 西村賢)

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