バルマーCEOが説明

Windows PCが10億台、世界の自動車台数を抜く見通し

2007/07/27

 マイクロソフトの2008年会計年度末(2008年6月末)には、Windowsを走らせているPCの数が世界中の自動車の数よりも多くなる見通しだ。同社のスティーブ・バルマーCEOが7月26日、アナリスト向け説明会で語った。

 同社は、今年のWindows Vistaの売り上げが6000万本に上り、アップルのインストールベース全体を上回ったと発表。今会計年度内にWindowsユーザーが10億人に到達すると、バルマー氏とCFO(最高財務責任者)のケビン・ターナー氏はアナリストとマスコミに語った。Vistaの売り上げのうち、4000万本は1月のリリースから100日の間に売れた。

 「Windowsのインストールベースは12カ月以内に10億に達する」とバルマー氏は聴衆に向けて話した。「ちょっと立ち止まって考えて見ると、2008年度末までに、全世界でWindowsを走らせているPCの数が、自動車の数を超える見通しだ。少なくとも私にとっては、いささかつまらない考え方だが」

180日間の深刻な脆弱性は12件

 ターナー氏は本社での年次アナリスト向け説明会の講演で、Vistaはマイクロソフトが投入した中で最もセキュアなOSであると語り、数字がそれを裏付けていると付け加えた。

 「Vistaがリリースされてから180日間で報告された深刻な脆弱性は12件。Windows XPは同じ期間で25件だった。この数字はアップルなどほかのOSよりも低い。またこの間、Vistaに関してかかってきたサポートへの電話は、XPと比べて21%少なかった」

 Vista対応認定アプリケーションは約2000種と、立ち上げ当初の650種から拡大した。対応デバイスは2100万種以上、Vista互換ロゴ付きデバイスは1万1000種を超える。

 2007年度もWindowsにとっては最高の年だった。売上高は149億7000万ドルと、前年比で14%拡大した。Vistaの貢献分は19億ドルだったとターナー氏は言う。

 現在、4200万台を超えるPCがボリュームライセンス契約でカバーされており、Continental Airlinesなどの顧客がこのライセンスでの導入を計画している。Continentalは年内に1万シート以上を導入する予定だとターナー氏は語った。

 マイクロソフトはPC市場の成長率を9〜11%と予測している。同社の新興市場におけるここ3年間の売上高伸び率はそれぞれ19%、27%、33%に上ったが、2007年度の総売上高に占めるこれら地域の割合は13%だったという。

 現在マイクロソフトの売上高の57%は米国外で発生している。米国外の市場の売上高伸び率は平均で18%だが、同年度に25%以上伸びた地域は40カ国以上あったとターナー氏は報告した。

MSがうまくやらないといけない5つのこと

 バルマー氏は講演で、マイクロソフトがうまくやらなければならないことが5つあると語った。最高の人材を手に入れること、革新を続けること、長期的な成功の特徴として破壊を受け入れること、複数のコンピテンシーを推進すること、長期的アプローチを取ることの5つだ。

 この戦いの約90%は、優秀な人材を引きつけ、引き留め、活用することだと同氏は語り、マイクロソフトは過去1年間で計1万2800人を雇い、うち4022人は製品開発チームに当てたと述べた。

 この1年でスタッフは8%減少したが、そのうち3%は「良い」減少――実績を上げていないスタッフが去った――であり、引き留めたい人に去られた「悪い」減少は4%だった。

 研究開発スタッフの25%は本社以外の場所で働いており、同社は全世界で研究施設を拡大し続けているとバルマー氏は語った。

 革新面について、同氏は構築と買収、また大規模な革新と小規模な革新の両方にフォーカスすることが課題だと言う。

「マイクロソフトは破壊を受け入れる」

 また、マイクロソフトは破壊を受け入れると同氏は語った。これは、“ソフトウェア+サービス”計画とそれに必要な、デスクトップ、エンタープライズ、オンライン、デバイスにまたがる新しいコンピューティングモデルを指している。

 「今後はすべてのソフトがサービスコンポーネントを持つが、すべてがブラウザから利用できるようになるわけではない」(同氏)

 デスクトップはリッチなユーザー体験、オフラインアクセス、パーソナルインテグレーションを提供し、Webはクリック・ツー・ラン、検索とコラボレーション、あらゆる場所からのアクセスをもたらし、エンタープライズは管理とセキュリティを手にする一方で、新しいフォームファクターが登場し、モバイル性が向上するとバルマー氏は言う。

 「ソフトウェア+サービスの開発はかなり進んでいる。これはパーソナルサービス、デベロッパーサービス、ビジネスサービス、サービスイネーブラーに分けられる」(同氏)

 「当社は広告企業にもデバイス企業にもなる。事業の推進、開発、成長のためにコンシューマーデバイスを持つ必要がある」

 マイクロソフトはエンドツーエンドの顧客体験を提供し、それを支える販売・サポートモデルを開発したい考えだ。同社はまた、強力な広告企業になる必要があり、すでに有している幅と深さ――3億8000万件のLive ID、ページビューと検索クエリの拡大――を活用してそれを実行すると同氏は語った。

 家電について、マイクロソフトはハードとソフト、サービスを提供することもあるが、ソフトとサービスを提供して、ハードで他社と提携することもあると同氏は述べた。

オープンソースは支持しない

 バルマー氏は競争に関して、マイクロソフトはほかのソフト企業との競争力に非常に自信を持っていると話した。オープンソースはライバルの1つであり、マイクロソフトが支持するビジネスモデルではないと同氏は語り、同社が昨四半期に初めてサーバ分野でLinuxから幾らかシェアを奪った点に触れた。

 「向こう10年間、当社がこれまで以上に成長し、革新し、収益を得る機会が増えるだろう」と同氏は締めくくった。

 マイクロソフトのビジネス部門社長 ジェフ・レイクス氏は、Windows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008の次期リリースについて説明した。

 同社は過去1年間でOfficeライセンスを7100万本販売し、企業向けライセンス契約の更新は依然好調だと同氏は語った。

 また同氏によれば、Office Communications Server 2007およびOffice Communicator 2007のコードが完成し、7月27日にRTM(製造工程向けリリース)となる。これは、ソフトベースで通信とVoIP機能を統合した製品を提供するマイクロソフトの戦略の重要なマイルストーンになるという。

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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