米JamcrackerのSaaSプラットフォーム製品を提供

きっとエイエスピー、“SaaSの屋台”を開始

2007/08/09

 きっとエイエスピーは8月9日、米JamcrackerとSaaSプラットフォーム製品「Pivot Path/JSDN」の販売契約を締結し、日本でSaaSプラットフォームの販売やレンタルを開始すると発表した。きっとエイエスピー 代表取締役社長 松田利夫氏は、「Pivot Path/JSDNと弊社サービスを組み合わせることによって、課金や集金、ホスティングプラットフォームなどオンデマンドサービスに必要な機能がすべて完備されている。Pivot Path/JSDNを利用することで、各社はSaaSプラットフォーム上で提供するアプリケーションを用意するだけで、SaaSベンダになれる」と説明した。

松田氏写真 きっとエイエスピー
代表取締役社長 松田利夫氏

 今回、きっとエイエスピーが提供するサービスは大きく分けて2種類。社内の既存アプリケーションをSaaS化するためにSaaSプラットフォームを提供する「きっとアプリケーション・サービス・プラットフォーム」と、SaaSプラットフォーム「Pivot Path/JSDN」のレンタルサービスだ。

 きっとアプリケーション・サービス・プラットフォームは、既存の社内アプリケーションをSaaS化するための製品で、SaaSプラットフォーム「Pivot Path」を中心に、Pivot Pathと既存アプリケーションを連携させるための製品群をきっとエイエスピーが提供する。これにより、すでに社内に存在するパッケージ製品や自製のアプリケーションなどをPivot Pathと連携させ、SaaS化できるというものだ。例えば、サーバ上にあるLinux用の画像編集ソフトとWindows用地図ソフトをWebブラウザを通じてクライアントPCにダウンロードし、同時に動作させることなどができる。この製品は、売り切り型で100ユーザーで500万円から。

 松田氏は、「各アプリケーションを、すべてサーバ上で動作させたり、必要な分だけクライアントにダウンロードさせて利用させる方法など、アプリケーションを動作させる方法がいくつもある。これらをポリシーに応じて使い分ければよい。サーバ上でアプリケーションを動かす場合なら、クライアントPCのOSに依存しない。従って、Windowsクライアントを使っていても、仮想化技術を使わないでLinuxアプリケーションをクライアントPC上で動かすことができるのだ。これを利用すれば、シンクライアント化も容易になるだろう」と説明した。

 Pivot Path/JSDNのレンタルサービスは、SaaSを使ったサービス展開を考えている企業・店舗向けのサービスで、きっとエイエスピー側がSaaSサービス展開に必要なプラットフォームなどを用意。月額1万円と売上額に応じた課金体系となる予定だ。具体的には、シングルサインオンやユーザー管理、ビリングといったSaaSサービス展開に必要なプラットフォームなどをきっとエイエスピーが用意して提供。ユーザー企業は、SaaS化したいアプリケーションを用意してPivot Path/JSDNと連携させるだけで、そのアプリケーションをSaaSとして提供できるようになる。

 例えば、すでに会計パッケージソフトを提供しているパッケージベンダであれば、その会計パッケージソフトとPivot Path/JSDNを連携させるだけで、会計ソフトをSaaS形式で提供できるようになる。この点について松田氏は、「われわれはSaaS屋台のようなものだ。SaaSプラットフォームという“屋台そのもの”は提供するが、屋台の主役である、おでんやラーメンといった“具”はユーザー側に用意してもらう。ソフトウェア版の楽天ともいえるだろう」と説明した。

関連リンク

(@IT 大津心)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)