swimmieで考える

ソーシャルブックマークの未来は受動型? 自動型?

2007/08/22

 お気に入りのWebページを複数ユーザー間で共有、コメントするソーシャルブックマークが次の段階に移ろうとしている。はてなやライブドアなど既存のソーシャルブックマークは、それぞれのポータルサイトなど特定のページにアクセスして、人気ブックマークを閲覧し、興味を持ったWebサイトにアクセスする使い方が一般的。ソーシャルブックマークの登録も含めて、ユーザーの能動的な行動が欠かせなかった。しかし、「知の共有」というソーシャルブックマークのメリットを受動的に得られるサービスが登場した。

 「能動的なメディアではなく、ページが上から降ってくるような受動的なメディアを作りたかった」。Firefoxのサイドバー上でソーシャルブックマークを利用できるようにするプラグイン「swimmie」を発表したCurioの取締役兼CTO 大澤昇平氏は、swimmieをこう説明する。swimmieはWebブラウザ標準のブックマーク機能とソーシャルブックマークを融合したサービスだ。swimmieではブックマークのカテゴリごとにタグをつけることができ、別のユーザーが同じタグ付けしたブックマークが、ローカルのブックマークにも登録される。自らがブックマークを登録しなくても、別のユーザーの登録によってブックマークが増えていく形だ。

swimmie01.jpg swimmie

 swimmieの特徴はその受動性だろう。行う必要があるのはブックマークを登録する際にタグを付けることくらい。これでWebブラウザのサイドバーでほかのユーザーとブックマークの共有ができる。Curioの代表取締役社長 小林慶太氏は「情報の整理として1つの場所に保存して、そこから探すのがユーザー心理として自然だ。ソーシャルもローカルもブックマークは1つというのが当然になるのではないか」と話す。

 大澤氏がswimmieを開発したきっかけは、在学している高等専門学校のレポート作りだった。「レポート作成のために資料を集めてみると、友人も同じWebページを参照していることが多かった。それなら自分で調べるよりも友人と共有したほうが早いと思い、システム化を思いついた」

swimmie02.jpg Curio 代表取締役社長 小林慶太氏(右)と取締役兼CTOの大澤昇平氏。小林氏は慶應義塾大学を今春卒業した23歳、大澤氏は高等専門学校5年生(19歳)で、来春、筑波大学に編入する予定

 当初swimmieは、大澤氏が開発し、IPAの2006年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)に採択されたブックマーク連携型検索エンジン「netPlant」の1つの機能という位置付けだった。netPlantは複数ユーザー間のブックマークを検索できる技術だが、そのブックマーク登録の機能を外出ししたのがswimmieだ。サブの位置付けだったswimmieだが、事業化を考えるとnetPlantよりも有望と映った。

 同じくIPAの2006年度中小ITベンチャー支援事業に採択されていた小林氏と大澤氏が2006年11月に出会い、swimmieの開発をスタートさせた。2007年1月にはベータ版を公開。5月にCurioを設立。ユーザーのフィードバックを得て、開発し直したswimmie 1.0を7月末に公開した。3000ユーザー限定で提供したが、2日で達してしまった。「叱咤激励を含めて反響が来ている」(小林氏)。今秋以降に一般公開する予定。将来は検索連動広告の掲載も検討する。

 Webブラウザのサイドバーがソーシャルサービスの次のプラットフォームになるかは現時点では分からない。しかし、現状のソーシャルブックマークサービスが次の段階に進むことを期待している人が多いのは事実ではないだろうか。アクセスログ共有サービス「Pathtraq」を開発したサイボウズ・ラボの代表取締役社長 畑慎也氏は、「インターネット検索も、昔のYahoo!ディレクトリ検索のような“手動型”から、Googleのような“自動型”へ変化していった。ソーシャルブックマークも現在のdel.icio.usやはてなブックマークのような手動型から、Pathtraqのような自動型に変化していくと予測している。そうすることでサイレントマジョリティの声も聞こえてくるようになる」と話している。

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(@IT 垣内郁栄)

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