SaaS市場でもSIビジネスが成長か

サイオス、Google Apps導入でSIサービス開始

2007/08/23

 サイオステクノロジーは8月23日、企業や学校における既存システムとグーグルが提供するSaaS型アプリケーションサービス「Google Apps」を連携させるサービス「SIOS Integration for Google Apps」の販売を開始した。同サービスを用いることで、既存システムのアカウントをGoogle Appsと同期することができ、シングルサインオンやパスワード同期を実現する。Google Appsではデータの保存先はグーグルのサーバになるが、法人のコンプライアンス対策を想定して、メールログやメールアーカイブの企業側での保存にも対応する。

sios01.jpg サイオステクノロジー 代表取締役社長 喜多伸夫氏

 料金は個別見積もりでの対応だが、小規模であれば数百万円から。アカウント数の多寡よりも、カスタマイズが必要とされる程度によってコストが決まるという。また、年間保守料金としてヒアリングから運用・教育までの初期費用の20%が必要。保守サポートにはメールと電話による問い合わせへの対応が含まれる。

 グーグルは学校法人向けの「Google Apps Education Edition」を無償で提供しているため「大学を含めた学校法人のニーズが強いのではないか。まずは学校法人向けに販売を開始するが、技術的には法人向けの『Google Apps Premier Edition』にも即対応可能」(代表取締役社長 喜多伸夫氏)としている。初年度で30件程度の導入を目指す。

日本大学への導入経験から課題をクリア

 サイオスは今春、日本大学がGoogle Appsを導入するのを支援した実績がある。導入に際してはシングルサインオンやアカウント管理システムをPHPで構築した。ただ、「版権が日本大学側にあることから、オープンに使えるものを作ったほうがいいという判断で、今回はPythonで構築した」(Linuxソリューション部 部長 中田寿穂氏)という。日本国内ではマイナーな存在だが、ワールドワイドのWebの世界では広くPythonが使われていることと、グーグル社内でもPythonを利用していることから、開発言語にPythonを選んだ。APIを使った開発作業に際して、グーグル側に支援を仰いだり、逆にサイオス側から改善要望を出したりといったやり取りを密にできることもメリットだという。

裸のAPIにプロビジョニング機能を追加

 Google Appsは認証プロトコルとしてSAML(XML Security Assertion Markup Language)をサポートする。SAMLは標準化団体OASISによって策定された認証プロトコルで、マイクロソフトの.NETパスポートでも採用されている。

 企業内のID管理システムで認証を行い、SAMLのメッセージをGoogle Apps側とやり取りすることで、シングルサインオンが実現できる。ただし、IDやパスワードの追加・削除・変更といったアカウント情報のライフサイクル管理を既存システムとGoogle Apps側とで同期した形で行うことは、SAMLの枠組みではできない。

 今回サイオスが開発したSIOS Integration for Google Appsは、アカウント操作のための「Provisioning API」を実装し、その上でシングルサインオンと既存システムとの同期を行うソフトウェアを実装したもの。PAM、LDAPやActive Directoryのアカウント情報をGoogle Appsと直接連携できる。

 サイオスは開発したPythonのソースコードを、GPLv2のライセンスの元にグーグルのWebサイトで公開している。同サイトでは、他社が開発したJava、.NET、PHPによるProvisioning APIのソースコードも入手可能だ。現在のコードはGoogle Apps向けに開発しているが、いずれSAML汎用としていく計画もあるという。

(@IT 西村賢)

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