「Oracle Real Application Testing」搭載

テスト新機能がスゴイ――「Oracle 11g」が10月23日出荷開始

2007/09/03

 日本オラクルは9月3日、次期データベース「Oracle Database 11g」を10月23日に国内出荷すると発表した。11gは480の新機能が追加されたといい、基本的なパフォーマンス向上のほか、運用管理コストの削減を可能にするという。同社の代表取締役社長 新宅正明氏は「顧客の声に応える機能を盛り込んだ。これからの5年間を支えるデータベースだ」と話した。

oracle01.jpg 日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏

 11gはシステム変更時のテスト工程を効率化する機能「Oracle Real Application Testing」(RAT)をオプションで搭載する。一般的なテスト工程は本番アプリケーションの解析から代表的な処理の抽出、スクリプト作成などから成り、120日程度かかるという。加えてテスト環境の構築にも24日程度かかり、工程全体は半年近くになる。テスト工程が長期に及ぶため、テストを頻繁に実施できないケースもあり、システム障害の要因の1つになっている。

 RATは本番環境で発生したワークロードをすべてキャプチャし、テスト環境で再現する機能。アプリケーション解析や処理の抽出、スクリプト作成などの効率化で、期間を2日間に短縮できるという。さらに、ミラーサイトのデータベースをテスト環境として使うことができる「Oracle Data Guard」の「Snapshot Standby」機能を使えば、24日間かかるテスト環境の構築を4日間に短縮できる。「Oracle E-Business Suite」を使ったオラクルのテストでは、従来140日かかっていたテスト工程が、RATとSnapshot Standbyを使うことで6日間に短縮できたという。

ILMを実現する新パーティション機能

 11gはストレージ関連の機能も強化した。データの重要性に応じて格納するストレージを選択する情報ライフサイクル管理(ILM)をデータベースに適用。オプション機能の「Oracle Partitioning」を使ってデータベースの表を時系列で分割して、オンラインのままでデータをストレージ間移動できるようにした。また、データの圧縮率も従来と比べて2〜3倍に高めた。

 基本機能ではパフォーマンス向上のほか、自動管理機能を向上させた。自動チューニング機能をメモリやSQLでも利用できるようにした。管理者に必要な設定を伝えるアドバイス機能も拡張した。

 画像やオフィス文書などの非構造化データが増えている状況に対応し、画像やXMLデータ、医療画像、RFIDデータ、三次元オブジェクトなどをネイティブで格納できるようにした。特にXMLについては「Oracle XML DB」を性能向上し、BinaryXMLのサポートを追加した。

oracle02.jpg 強化されたOracle Database 11gの基本性能

1年後の出荷比率5割目指す

 11gについては、アシストや伊藤忠テクノソリューションズ、新日鉄ソリューションズ、日本IBM、NEC、日立製作所、富士通などのパートナー各社が先行検証を行う。オラクルはパートナー向けの無償トレーニングを実施し、10月末までに3000人の参加を見込んでいる。パートナーの協力を得て、早期に11gを浸透させるのが狙い。日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「Oracle Database 10gは出荷1年後の出荷比率は30%だった。11gでは1年後の出荷比率を50%に高めたい」と話した。また、新宅氏は現在55%強程度のデータベースの市場シェアを60%にすることを目指すと説明した。

 価格はEnterprise Editionが1Named User Plusで10万5000円(最小25ユーザー)、1プロセッサで525万円。Standard Editionは1Named User Plusが3万9375円(最小5ユーザー)、1プロセッサで196万8750円。Standard Edition Oneは1Named User Plusが1万9530円(最小5ユーザー)、1プロセッサで65万5620円。10月23日にLinux x86(32ビット)版を出荷し、2007年中にSolaris版やWindows版、HP-UX版、IBM AIX版などを出荷する予定。

(@IT 垣内郁栄)

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