中堅・中小企業のジャストフィット

AC100V対応でオフィスに置ける――HPが小型ブレード発表

2007/09/13

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は9月13日、サーバで一般的なAC200Vではなく、AC100Vに対応した中堅・中小企業向けのブレードサーバ「HP BladeSystem c3000エンクロージャ」を発表した。9月下旬に出荷開始する。従来のc7000と比べて大幅にサイズを縮小し、設置スペースに限りのある中堅・中小企業でも容易に置けるようにした。エンクロージャに載せるサーバブレードは従来のc7000と共通。c7000と並売する。

 日本HPのエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 プロダクトマーケティング部 プロダクトマネージャの山中伸吾氏によると、中堅・中小企業にブレードサーバを提案するHPのパートナー企業の中で最も多い要望は、AC100Vへの対応。一般的なブレードサーバはAC200V対応のため、専用のサーバルームを用意する必要があり、中堅・中小企業にとっては導入の障壁となっていた。

 c3000エンクロージャは新開発のパワーサプライを搭載。電源の変換効率を87%まで高めることでAC100Vでも発熱量を抑えてサイズの小型化を実現した。工事をすることなく、オフィスにある通常の壁コンセントから電源を取れる。パワーサプライ以外の冷却ファンやサーバブレード、内蔵管理コンソールの「Insight Display」はc7000と共通、同機能。HPは「c7000と同じ信頼性を備える」としている。

hp01.jpg 「HP BladeSystem c3000エンクロージャ」

 c3000エンクロージャは縦26.5センチ×横48.5センチ×奥行き83.5センチの6Uサイズ。押し入れなどで使う衣装ケースのサイズに近い。ハーフハイトのサーバブレードを8枚搭載でき、HPは「タワー型サーバ8台を1台のブレードサーバに統合できる」とアピールしている。タワー型サーバを8台設置する場合の面積と、c3000エンクロージャの設置面積を比べると63%の省スペースになるという。

hp02.jpg 日本HPの山中伸吾氏。左手に持つのはc3000エンクロージャ用に新開発したパワーサプライ

 運用管理はクライアントPCでブレードサーバを遠隔操作できる「Integrated Lights-Out」(iLO)に対応。ブレードサーバ用のディスプレイやキーボードなどを用意しなくてもすぐに使い始めることができるという。エンクロージャは、複数のサーバブレードで同時にマウントできるDVDドライブを内蔵。1度に複数のサーバブレードにOSをインストールできる。

 HPは同時にc7000、c3000のエンクロージャに搭載できる総データ容量1.16TBのストレージブレード「HP StorageWorks All-in-One SB600c」を10月上旬に出荷開始すると発表した。ブレードサーバ内でNASのファイルサービスやiSCSI、SANの共有ストレージを構築できる。

 価格はc3000エンクロージャが50万4000円。SB600cが113万4000円。HPはc3000エンクロージャの投入と同時にパートナープログラムも刷新した。現在は60%弱のブレードサーバのパートナー販売比率の向上を目指す。2010年にはHP内のブレードサーバの販売比率をタワー型サーバと同率の25%にするという。ラックマウント型サーバの2010年の比率は50%の見込み。

関連リンク

(@IT 垣内郁栄)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)