相互運用性向上も狙い

MSが知的財産をベンダ、研究者に提供「どんどん使って」

2007/09/13

 マイクロソフトは9月13日、自社で研究開発した技術などの知的財産を国内のソフトウェアベンダや大学の研究者にライセンス提供すると発表した。マイクロソフトの技術を生かすことでソフトウェアベンダなどは短期間に製品を開発できる。マイクロソフトは知的財産のライセンス提供で、ソフトウェア業界への影響力を高め、対応製品を拡充させる狙いがある。

ms01.jpg マイクロソフト CTOの加治佐俊一氏

 ライセンス提供するのは研究部門のマイクロソフトリサーチが開発したソフトウェア関連の要素技術と、要素技術を組み合わせたコンポーネント技術、マイクロソフト製品に組み込まれているWindowsサーバ関連のプロトコルの技術仕様や関連技術。提供する知的財産はマイクロソフトのWebサイトで確認できる。9月17日に提供開始する。

 ソフトウェアベンダはこのプロトコルや関連技術を自社製品に組み込むことで、製品を容易にWindows Serverの認証サービスやプリンタサービス、ディレクトリサービスなどに適用できるようになる。LinuxやUNIXなどWindows以外のプラットフォームでもこのプロトコルや関連技術は使用できるといい、マイクロソフトはWindowsとの相互運用性の向上を期待している。

 知的財産の提供はマイクロソフトのソフトウェア開発推進プログラム「マイクロソフト イノベーション センター」を通じて行う。提供形態は知的財産の内容や用途によって異なり、無償提供やシステムごとの課金、利用回数ごとの課金などいくつかのモデルを用意する。大学の研究者などに対しては「課金しない」(マイクロソフト CTOの加治佐俊一氏)方針で、「マイクロソフトの知的財産をどんどん使ってもらいたい」としている。

ロボット開発に協力

 マイクロソフトはまた二足歩行ロボットを開発しているゼットエムピー(ZMP)と協力すると発表した。ZMPはマイクロソフトのロボット用開発ツール「Microsoft Robotics Studio」上で動作する二足歩行ロボットのシミュレーションソフトウェアを開発した。ZMPはシミュレーションソフトウェアと共通のソフトウェアアーキテクチャを採用した二足歩行ロボットの実験用プラットフォームを2007年中にリリースすることも予定している。マイクロソフトの知的財産である顔認識技術や音声認識技術を活用するという。

ms02.jpg 開発した二足歩行ロボットのシミュレーションソフトウェア

(@IT 垣内郁栄)

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