Wiki+メールのSaaSコラボツール

サイボウズ元社長が米国で起業、「Lunarr」の世界レベルは?

2007/10/02

 サイボウズ元社長の高須賀宣氏が米国で起業したLunarrが10月2日、初のサービスのアルファ版を公開した。サービスは社名と同じ「Lunarr」で、Wiki型のドキュメント共有の仕組みと、電子メールを使ったコミュニケーションの仕組みを組み合わせたのが特徴。同社は「まったく新しいコラボレーションツール」としていて今後、日米での展開を目指す。

 Lunarrが解決を目指すのは電子メールを使ったドキュメント共有の問題点だ。メールにドキュメントを添付して複数のユーザー間でレビューすることは多いが、メール添付のドキュメントとローカルのドキュメントが混じってしまい、バージョン管理が難しい。SaaSで提供されるLunarrはWiki型のドキュメントと電子メール機能が完全に対になっている。

 Lunarrのインターフェイス上ではドキュメントにあるメールタブをクリックするとメール画面が開き、ほかのユーザーにドキュメントを送信できる。といっても、通常のメール添付と異なり、ドキュメントの実体は1つであり、ユーザーはWiki型のドキュメントにアクセスして閲覧したり、編集する形となる。ドキュメントとメールが常に1対1の関係になり、ドキュメント、もしくはメールを見失うことがないようになっている。Lunarrのプロダクトマネジャー 山本勝氏は「ドキュメントが表で、メールが裏のイメージ」と説明する。Wiki型のドキュメントなので複数ユーザーでバージョン管理が可能。メールを送信したユーザーしか閲覧、編集はできず、アクセス権の管理もできる。

lunarr01.jpg Lunarrのドキュメント作成画面。テンプレートが用意されている
lunarr02.jpg ドキュメントごとにあるメールタブをクリックするとメール送信画面が開き、メールと対になるドキュメントをほかのユーザーと共有できる

 Lunarrにはドキュメント作成の機能もあり、用意されているテンプレートを使ってLunarr上でドキュメントを作成できる。ほかに Microsoft WordやPDF、テキストファイル(いずれも10MBまで)などをローカルPCからアップロードして、Lunarrのファイルフォーマットに変換して共有することも可能。そのほかのフォーマットのファイルを共有する場合は、Lunarr上でのメール添付になる。山本氏は「今後は対応フォーマットを増やしたい。Lunarrフォーマットのファイルをアウトプットする機能も付けたい」としている。また、既存のメールクライアントとLunarrを連携させることも検討している。

 現在は招待制でサービスを提供している。ベータ版の提供は2008年前半を予定。その後、正式版を提供する。アルファ版、ベータ版では無償提供するが、正式版では企業向けに1ユーザー当りの課金などを検討している。Lunarrは2006年1月に米国ポートランドに設立。現在の社員は12人で、うち6人が日本人という。

 Lunarrは日本のIT業界の注目人物である高須賀氏が米国で起業したこともあり、早い段階から注目を集めていた。高須賀氏と同社COOが思いついたというLunarrのアイデアも斬新で、人気を呼びそうだ。ただ、企業の現実を考えると既存システム、既存プロセスとの融合策など高須賀氏らがやるべきことは多い。高須賀氏らがポートランドの地でどのように課題を解決して、サービスを広めていくのか。日本のエンジニアにとっても貴重なケーススタディになるだろう。

 

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(@IT 垣内郁栄)

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