文書の権限管理が第1弾

アドビが国内でSaaS参入、ビッグローブと組む

2007/10/24

 NECビッグローブとアドビ システムズは協業し、企業向けのSaaS事業を共同で展開すると10月24日に発表した。第1弾として電子文書のアクセス権限管理サービスを販売開始した。ビッグローブがネットで提供しているサービスをアドビの「AIR」技術を使ってクライアント・アプリケーション化して提供する事業も、今後共同で展開する計画だ。

 両社が提供するのは「BIGLOBEドキュメント コントロール サービス」。アドビにとっては国内初のSaaS事業となる。アドビのアクセス権限管理のサーバ製品「Adobe LiveCycle Rights Management ES」をビッグローブが管理するネットワークインフラ上で運営し、エンドユーザーはインターネット経由でアクセスして利用する。エンドユーザーはアクセス権を設定したPDF文書を新サービスのWebサイトにアップロード。文書の有効期間や閲覧できるユーザー、印刷・編集の可否などのポリシーをネット上で設定。ユーザーはポリシーを適用した文書をダウンロードして、電子メールなどで配布できる。

 ポリシーを設定した文書を開く場合、インターネット経由での認証が必要になる。認証を行うことで閲覧が許可されているユーザーかどうかや有効期限、改版文書の有無などがチェックできる。配布先の閲覧者が誤って文書を流出させても、後から文書を閲覧不可にできる。管理者は電子メールを登録するだけで外部ユーザーを閲覧メンバーに加えることができ、セキュアな環境を保ちながら、容易に外部展開ができる。

adobe01.jpg 協業を発表したNECビッグローブの代表取締役執行役員社長 飯塚久夫氏(左)とアドビの代表取締役社長 ギャレット・イルグ氏。両社とも本社は東京・大崎で、「大崎アライアンス」でもある

 アドビは北米で同様のSaaS事業を単体で展開しているが、国内ではビッグローブをパートナーに選んだ。アドビの代表取締役社長 ギャレット・イルグ(Garrett J. Ilg)氏は「アクセスしやすく、使いやすいサービスになった。最も重要なのは高い信頼性が確保できたこと。ビッグローブと組むことでよりよいソリューションになった」と話した。また、ビッグローブの代表取締役執行役員社長 飯塚久夫氏は「3年で30億円の売り上げ、500社の獲得が目標」と話した。

 新サービスは1カ月内の利用ユーザー数が500、100文書までのポリシー付与の場合で月60万円。1000ユーザー、200文書までの利用で月80万円など。初期費用として40万円がかかる。サービス提供開始は12月3日。ストレージサービスやMicrosoft Excel、Word文書への対応、WebAPIの提供も予定している。新サービスの開発にはNECシステムテクノロジーが協力。6カ月で開発した。

Flash、AIRでクロスプラットフォーム対応進める

 アドビとビッグローブは新サービスの開発で今後も協力する。ビッグローブの執行役員 東出正裕氏は「Flash、AIRを使った法人向けのASPサービスも近いうちに発表したい」と話した。イルグ氏によると、法人向けを中心にビッグローブが提供するサービスをAIRを使ってクライアント・アプリケーション化する取り組みを両社で行っているという。「プリベータのAIRを最初に見てもらった日本企業がビッグローブだ」(イルグ氏)といい、サービス開発で両社は密接な関係を続ける計画。

 ビッグローブの代表取締役執行役員専務 佐久間洋氏は「OSフリーなAIRを持つアドビと組むことに将来性があると考えている」と話し、クロスプラットフォーム向けサービスの開発にAIRを活用する考えを示した。ビッグローブは現在、Windows Media Playerで提供している動画サービス「BIGLOBEストリーム」についても「1日も早くFlash、AIRでコンシューマ向けに提供できるようにしたい」(飯塚氏)としている。

(@IT 垣内郁栄)

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