インテルが9100番台の7製品を発表

Itaniumがミッションクリティカル分野向け機能追加

2007/10/31

 インテルは10月30日、Itaniumシリーズに新たに9100番台のデュアルコア6製品、シングルコア1製品を加えると発表した。開発コード名「Montvale」で呼ばれていた第6世代に当たる製品群。10月31日に量産出荷を開始する。新技術「コアレベル・ロックステップ」に対応した製品は2008年第1四半期の出荷を予定している。日立製作所、NEC、富士通、日本SGI、日本ヒューレットパッカード、日本ユニシスなど主要ベンダは今四半期中にも対応製品を出荷する。

itanium01.jpg 米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長 カーク・スカウゲン氏。手にしているのは来年発表予定の次期Itanium「Tukwila」のダイサンプル

 コアレベル・ロックステップは、コア内で起こるエラーを検出してデータの完全性とアプリケーションの信頼性を向上させる新技術。これまでソケットレベルで行ってきたロックステップ技術と合わせて演算結果の一貫性を保証することで「Itaniumプラットフォームによるミッション・クリティカル分野へのサポートを強化している」(インテル技術本部 本部長 及川芳雄氏)という。メインフレームレベルのミッションクリティカルな機能が提供できるため、例えば「東京証券取引所は従来のメインフレームを富士通のItaniumベースのサーバ製品『PRIMEQUEST』に移行することを決めている」(デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長 カーク・スカウゲン氏)。

itanium02.jpg  コアレベル・ロックステップの概念図

 新機能としてプロセッサの利用率に応じて消費電力をダイナミックに変更する「デマンド・ベース・スイッチング」も搭載。電力と冷却コストの削減に寄与するという。

 新Itaniumの発表に合わせてネットワールドは同日、米トランジティブの「QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Itanium」を発売。同製品は既存のSolaris/SPARC上のアプリケーションを、Linux/Intelプラットフォームで稼働させる仮想化ソフトウェア。バイナリ変換やAPIマッピングにより、Solaris 2.5以降をターゲットとしたアプリケーションであれば変更なしで実行できるという。「古いSolarisで動いていた一般的なアプリケーションは、モダンなItaniumプラットフォームで2倍以上のパフォーマンスで動く」(米トランジティブ バイスプレジデント スティーブン・ミー氏)という。

itanium03.jpg Itanium搭載のLinux上で、QuickTransitを起動し、Solaris対応アプリケーションを実行する例。グラフィックも滑らかに動く

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(@IT 西村賢)

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