デスクトップシェアを引き離す

アップル、MacBookが“絶好調”

2007/11/28

 アップルは、iMacのメジャーアップグレードにより、2007年にはデスクトップの販売額が一時的にモバイルモデルと並んだこともあった。しかし、相変わらずデスクトップよりもラップトップのほうが売れているという。

 同社の最高経営責任者(CEO)であるスティーブ・ジョブズ氏は以前、2003年は「ラップトップの年」だと宣言した上で、携帯型Macの売り上げが過去最高水準に達し、Macデスクトップを抜き去る日が遠からず来ると話していた。

 それ以来、ジョブズ氏が予言したトレンドは現実のものとなり、「MacBook」や「MacBook Pro」の販売規模は、デスクトップである「Mac Pro」およびiMacラインを総じて超えるようになっている。Creative Strategiesのコンサルタンシープレジデント、ティム・バジャリン氏は、「ここ3度の年次報告からも、アップルではラップトップの売れ行きがデスクトップをしのいでいることが分かる」と述べた。

 「アップルのコンピュータ関連総収入は、小売市場における圧倒的な存在感に加え、iPodおよびiPhoneの『ハロー効果』のおかげで、劇的に増加している。Macの使いやすさと新OSの性能の高さを認める消費者も多くなっており、これがラップトップの売り上げ増に大きく貢献している」(バジャリン氏)

 「2006年初頭の時点で、アップルのラップトップ販売額は、同社のコンピュータ関連総収入の約60%を占めていた。だが今年はiMacの販売がきわめて堅調なため、ラップトップとデスクトップの売上高は並んでいる」(バジャリン氏)

 とはいえ、アップルの直近四半期のコンピュータ販売総額では、ラップトップの売り上げがデスクトップに勝っていた。

 アップルの最高財務責任者(CFO)を務めるピーター・オッペンハイマー氏は、2007年第4四半期の収支報告において、「世界的な規模で見た場合、アップルの成長率は、IDCが最近発表した9月期の市場成長率の2倍以上になった」と話した。

 同氏によれば、「アップルが8月にリリースした新型iMacは(消費者に)きわめて好意的に受け入れられ、その結果、デスクトップシステムの前年比成長率は31%に及んだ」という。「MacBookおよびMacBook Proに対する需要も、以前と変わらず非常に大きかった。ラップトップの売り上げは9月期にかけて37%増加し、Mac製品の総販売額の62%を占めた」(オッペンハイマー氏)

 iMacの売り上げは上向きになったが、ラップトップの売れ行きはそれを上回った。この原因の一端は、専門家に向けた(利益率の高い)Mac Proデスクトップラインのアップデートが相対的に少なかったことにあると考えられる。

 もっとも、理由はどうあれ、ラップトップがデスクトップより魅力的な購入対象であるのは確かなようだ。2006年10月にSolutions Research Groupが公表した消費者研究報告書(PDFはここから閲覧可能)も、アップル製品の中で最も人気が高いのはラップトップ(MacBookもしくは MacBook Pro)だとしている。また、同社のラップトップは、クリスマスに欲しいプレゼントの総合ランキングでも11位に入ったという。

原文へのリンク

(eWEEK Daniel Drew Turner)

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