「一手間かけて身を守って」とIPA

認知度高まれどもなお被害、ワンクリック詐欺

2007/12/04

 情報処理推進機構(IPA)は12月4日、インターネットの利用者を対象とした「情報セキュリティに関する意識調査(2007年度第1回)」の結果をまとめ、公表した。セキュリティ上の脅威に対する認知度が徐々に向上している一方で、Webページの閲覧中に身に覚えのない支払いを要求する「ワンクリック詐欺」に遭遇し、実際に金銭を支払ってしまっているユーザーも数%ながら存在することが明らかになった。

 この意識調査は、2007年7月6日から9日にかけて、Web上のアンケートを通じて実施された。15歳以上のインターネット利用者、5160人からの回答が得られたという。

 前回(2007年3月)の調査に比べると、「ウイルス」をはじめとするセキュリティに関する言葉の認知度は向上している。「フィッシング詐欺」は91.3%、「スパイウェア」は88.4%、一時期認知度の低さが懸念された「セキュリティホール」も82.8%のユーザーが「知っている」「聞いたことがある」と回答した。

 また、Webサイトを閲覧中、画像やリンクなどをクリックしただけで身に覚えのない料金を請求されたり、ときにはしつこく請求書の画面が表示される「ワンクリック不正請求」については、「聞いたことがあり、内容も知っている」が71.5%、「聞いたことがある」も22.9%に上った。

 にもかかわらず、Web閲覧中に覚えのない料金を請求された経験があるユーザーは8.7%、料金支払いを要求するメールを受け取ったことがあるユーザーは6.3%あった。さらに、こうした不正請求に遭遇したユーザー、641人のうち3.8%が、実際に支払いを行い、金銭的被害を受けたことが明らかになった。

ipa01.jpg IPAセキュリティセンター センター長の山田安秀氏

 「この数字を多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれだが、ワンクリック詐欺の被害は確実に進んでいることは明らかだ。ツークリック詐欺で3億円もの被害が出たという報道もある。また、2007年10月にIPAに寄せられたワンクリック詐欺に関する電話相談の件数は、過去最悪の396件を記録した。ワンクリック詐欺を含めた不正アクセスに対する注意を喚起したい」(IPAセキュリティセンター センター長の山田安秀氏)

 認知度が高まっているにもかかわらず被害が生じている理由の1つとして、アダルトサイトなどを経由して被害に遭うケースが多く、他人に知られないために金銭を支払ってしまう心理が挙げられると山田氏は述べた。同時に、人の心理を突くテクニックの発達も見られるという。

 また、IPAセキュリティセンター ウイルス・不正アクセス対策グループ グループリーダーの小門寿明氏は、「どういった被害が生じるかについての、第1段階の認知は進んだ。今後は、合わせて対策も理解してもらえるよう、第2段階の認知へと進めていきたい」と述べている。つまり、不用意にリンクをクリックしてしまった結果やってくる架空請求には応じない、という水際での対処を徹底するとともに、その前の段階で、Windows OSなどが表示する警告ウィンドウに注意を払い、動画ファイルなどを装った悪意あるソフトウェアをインストールしないよう心がけることが重要という。

 そして、ワンクリック詐欺に利用されるマルウェアだけでなく、Winnyを介した情報流出を招くウイルスなどへの対策として、「一手間かける」ことを挙げた。

 「ファイルの見かけと実態は違う。特にアイコンは偽装しやすい点に注意が必要だ。Windowsのデフォルト設定を変更して、拡張子を表示させるとともに、右クリックで表示されるファイルのプロパティをチェックすれば、無害なファイルか、それとも実行形式のアプリケーションかどうかを見分けることができる」(小門氏)。また、見慣れたアイコンのファイルであっても、ダブルクリックで開く代わりに、右クリックして「プログラムから開く」を選択するという具合に、「一手間かけることにより、被害から身を守ることができる」(同氏)

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(@IT 高橋睦美)

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